おふたりが交互に音読される珠玉の4冊
早朝、お庭の散策と朝食を済まされた後、一緒に一冊の本を交互に音読することを日課にされている上皇ご夫妻。約30年前からの習慣で、これまでに寺田寅彦の随筆『柿の種』や堀辰雄の『大和路・信濃路』、モンテーニュの『随想録』、パスカルの『パンセ』など、国内外の数々の名著をご一緒にお読みになっている。
詩歌をテーマにしたエッセイ
短歌、俳句、川柳、歌謡などから、毎日一つの作品を取り上げて解説を行った新聞連載のエッセイ集。
『折々のうた』大岡信/岩波新書/880円
大正から昭和の日々をつづった短文集
日常の中の不思議を研究した物理学者であり、俳人としても知られる寺田寅彦の短文作品集。
『柿の種』寺田寅彦/岩波文庫/880円
旅の感動を率直に記した随筆集
ジブリによって映画化された小説『風立ちぬ』で知られる作家の、エッセイと小品をまとめた一冊。
『大和路・信濃路』堀辰雄/新潮社/506円
日本語の美しさを実感する随筆集
四季を彩る季節の詞(ことば)の数々を、名句や名歌の引用と共に親しみやすい文体で紹介した一冊。
『ことばの歳時記』山本健吉/角川ソフィア文庫/968円
英国王室にも人気のユーモア小説
84歳のお誕生日を迎えた美智子さまが、ご公務を離れたあとの楽しみだと明かされたのが読書。《読み出すとつい夢中になるため、これまでできるだけ遠ざけていた探偵小説も、もう安心して手許に置けます。ジーヴスも2、3冊待機しています》と英国王室やミステリー作家のアガサ・クリスティの愛読書としても知られるユーモア文学の最高傑作を挙げられた。
『ジーヴズの事件簿才智縦横の巻』P・G・ウッドハウス/文藝春秋/649円