ジャニ新社長の東山紀之をべた褒め
伊集院氏は『週刊文春』だけでなく、講談社が発刊している『週刊現代』にも連載エッセイをもっているのだが、『週刊文春』の連載が問題になるより前の、9月15日発売号の『週刊現代』で、ジャニーズ事務所の9月7日の1回目の記者会見をふまえてこう言及した。
《あのジャニーズ事務所にこれほど男気があるというか、気骨のある人間がいたとは想像もしなかった。東山紀之さんのことである》
《世の中には逆境に立たされても信念を崩さない男がいるものだ》
新事務所の社長に就任した東山紀之のことを思いきり褒めちぎったのだ。
「伊集院さんは作詞家の一面もあり、近藤真彦の『ギンギラギンにさりげなく』や『愚か者』の作詞を担当するなど、以前からジャニーズ事務所とつながりが深く、個人的な友人関係もあったと聞いています。そういった事情から擁護したのかもしれません」
かなり露骨にジャニーズを擁護したため、SNS上では《山下達郎があれだけ叩かれたのに、よく書くな》、《ジャニーズ大好きおじさん》といった声が投稿され炎上した。だが、伊集院氏のジャニーズ発言はこれだけにとどまらなかった。
「『週刊文春』の連載は読者の人生相談にのるという体裁にもかかわらず、伊集院さんは9月28日発売号(連載終了の2週前の号)で無理やりジャニーズ問題に触れて、『あの(ジャニーズの)中に物事の判断がつかない者は一人もいない』と書いたのです」
伊集院氏がそう擁護したのと同じ号の『週刊文春』の目次には、「東山紀之ジャニーズ新社長が隠す5つの“爆弾”」という大きな見出しが躍り、東山のパワハラ疑惑や、東山の元マネージャーの性加害疑惑を報じている。同じ号で真逆のような主張が書かれていたことになるのだ。
「たとえ伊集院さんのような大御所でも、ジャニーズを擁護する内容を掲載することは、長年ジャニーズ問題を取り上げてきた『週刊文春』としては受け入れられなかったのではないでしょうか。本人がやめたいと言っていることもあり、13年続いた連載の打ち切りを決断したのでしょう。伊集院さんに事情を説明するために1号休載したうえで、10月12日発売号を最終回にしたのではないかと推測します」
実際のところはどうなのか、『週刊女性PRIME』は伊集院氏に事実確認などを問い合わせたが、期日までに回答はなかった。
最後の“無頼派”とも呼ばれる73歳の作家。連載終了も『大人の流儀』だったのだろうか――。