肌へのダメージを減らしバリア機能を高めて
「40歳を過ぎれば皮膚のバリア機能が落ちてくるので、季節の変わり目の体調の変化や睡眠不足などで肌は不調に傾きやすいんです」
と話すのは、肌の再生医療が専門の北條元治先生。
「乾燥によって角質が剥がれやすくなるので、水分と油分を補ってケアすることは大事ですが、行きすぎは禁物。自分の肌が心地悪いと感じるなら逆効果のサインです。
化粧品を替えたり特別なお手入れを足したりせず、肌状態を確認しながら基本のスキンケアを続けて様子を見てください。よくならない場合は自己判断せず、皮膚科の受診を」(北條先生、以下同)
今の時季は夏に浴びた紫外線の蓄積で、肌はゴワつきがち。「角質ケア」が気になるが……。
「化粧品メーカーが商品を売りたいがために、ターンオーバー(新陳代謝)を促進する角質ケアを推奨していますが、古い角質を剥がさないといけない医学的根拠はありません。
逆に無理やり剥がせば、肌が弱まるのは当たり前。スクラブ入りの洗顔料でこすったり、我流のマッサージをするなどは避けたほうが無難ですよ」
肌の再生医療の専門家「間違ったお手入れが秋の肌トラブルを引き起こす」
NGケア【夏が終わったから日焼け止めは塗らなくていい】
正解:ダメージを加速させないため、できる限り塗りましょう
「夏の肌は、強烈な紫外線を浴びたせいでダメージが蓄積した状態。さらに、秋から冬へと向かって季節的に湿度が下がる、つまり乾燥していくので、肌トラブルのリスクは上がります。
夏よりは紫外線のパワーが弱まるとはいえ秋も毎日、日焼け止めを塗って肌をガード。日焼け止めでなくても、紫外線散乱剤が入ったUVカット機能のある化粧下地やファンデーションを使えばOKです」(北條先生)
NGケア【敏感肌用を選べば、いつだって安心!】
「私が治療する患者さんのうち6〜7割の方が『自分は敏感肌だ』とおっしゃいますが、肌質については、今のところスタンダードな基準はありません。言うなれば、判断基準は個人の主観。
単にスキンケアの方法が間違っていて、肌が弱いと感じているケースも。敏感肌用の化粧品であっても、体調や季節によっては肌の負担になることがあります。このとき注意したいのが、角質や皮脂を落としすぎないこと。
ピーリングやクレンジングにより角質が剥がれると肌のバリア機能が低下して、炎症や吹き出物の原因になります」(北條先生)