指南1:身体が不調になったときの対策を明確にしておく
ある日、突然やってくる!
「現在ひとり暮らしの“おひとりさま”は、まず、急に入院が必要になったときのことを想像してほしい」と明石さん。
例えば、入院中に必要なものの準備や入院中の家のことは誰にお願いするのかといったことを考えるだけでも、“何とかなるだろう”“子どもに頼ればいい”が通用しないことがわかるはずだ。
子どもが離れて暮らす場合は、すぐに駆けつけたり、定期的に通って来ることが難しいので、近所に住む親戚などで頼める人がいないか相談しておく必要がある。
「子ども目線で考えると、親に何かあったときに、状況が把握できるような仕組みも整えてあげてほしい。近所の人に連絡を頼んでおいたり、自宅に見守りカメラを設置するなどでもよいと思います」
面倒をかけた子には感謝をお金で示して
また、入院の際には、医療費の支払いを保証する身元保証人や亡くなったときの身柄を引き取る身元引受人を求められる場合もあるので検討を。
さらに、入院費の支払いを含め、お金の管理を誰にお願いするかも考えておくとよい。
「すべての預金を子に開示する必要はありません。入院中だけでなく、退院後の介護費用など、“何かあったら、この通帳のお金でやりくりしてね”と通帳を1つ渡しておく程度でもよいと思います」
ただし、管理をお願いするお金の大小にかかわらず、誰にお願いするかは話し合いで決めること。子どもが複数人いる場合、そのうちの1人に相談なくお願いすると兄弟姉妹間で不要な軋轢(あつれき)を生む可能性がある。
また、財産管理の手間がかかるようであれば、親子間でも報酬を渡すのも互いが納得する手段のひとつ。
「今は、子ども世代も家計が大変な時代。親元を訪れる交通費を出すのも苦しいかもしれません。親の面倒を見るのは当たり前と思わず、“ありがとう”の気持ちを報酬として渡してもよいと思います。なかには、財産管理の契約を結び、仕事として報酬を渡している家庭もあります」
子どももおらず頼る親戚もいない場合は、弁護士や行政書士といった専門家と契約を結び、見守りと財産管理を依頼しておくと、もしものときも安心だ。まずは下調べを。
もし、入院となったら…考えておくべきこと
(1)身元保証人・身元引受人は?
(2)入院中に必要なものの用意は誰が?
(3)入院の手続きは誰が?
(4)入院費用の支払いは誰が?
(5)入院中の家、ペットの世話は誰が?