指南5:死後手続きを委任する人を立てるべし
遺品も家も放置されないために
死後手続きは誰でもできるわけではない
葬儀、納骨、遺品整理など死後の手続きは、基本的に相続人が行うので、子どもや兄弟姉妹などがいればそれほど深刻になる必要はなし。
一方で、これまで述べたとおり「子どもや兄弟姉妹がいない人は相続人ではない親類や知人、専門家などと“死後事務委任契約”を結んで、死後の手続きを行う人を決めておくべき」と、明石さんは強調する。
というのも、親族以外の人が遺体の引き取り、葬儀、納骨、遺品整理などを行うには、本人から依頼されている前提が必要。
さらに、故人の住まいの片づけはできても、財産とみなされる遺品は、遺言書なしに手出しできない。
「死後事務を行える人がいなければ、持ち家もそのまま放置されます。賃貸では、大家さんでさえ、部屋の中にあるものを整理・処分するのに煩雑な手続きと費用をかけなければできません。大きな負の遺産になります」
きちんと契約を結んでさえいれば余計な負担をかけることなく死後事務をスムーズに行え、さらに報酬として感謝の気持ちを残すことができる。
死後事務委任契約が必要な場合
配偶者・子・孫・父母・兄弟姉妹といった相続人がいない場合、遺体の引き取り、葬儀や納骨・永代供養の手続き、訃報の連絡、家賃や介護費用・医療費の精算、行政の手続き、部屋などの清掃や家財の処分など細かな事務や整理を依頼する契約
(1)相続人ではない親族(いとこや配偶者の兄弟等)に頼む
※相続人は死後事務を行う前提なので、契約を結ぶ必要がない
(2)事実上の家族に任せる
※事実婚の配偶者やパートナー、事実上の養子などは法律上は家族であることを証明できないので、相続と同じく死後事務についても対策を
(3)第三者(親族以外)に依頼する
※知人、士業(弁護士、行政書士、司法書士等)、事業者など
(4)社会福祉協議会と契約
※各都道府県や市区町村に設置されている地域福祉を目的とした機関へ依頼する。契約を結ぶには、各都道府県で条件が異なるので確認を