14歳年下の韓国人男性と再婚し幸せな日々も

「ソジュンは韓国生まれで、まだ日本に来てそんなに日はたっていなかったようです。韓国ではDJをしていて、『今、日本に行けば稼げる』と仲間に誘われて来たそうです。彼はとにかく優しかった。靴まで履かせてくれたりと、まるでお姫様のように扱ってくれた。そんなことは初めての経験で、ついホロッとなってしまった。

 当時私はシンガーとして表舞台から退き、娘のバックアップに徹するよう努めていたころでした。自分を押し殺す日々が続いていた。新しい男と一緒になれば、人生やり直せるかもしれないと考えた。私は男に逃げたんです」

 付き合い始めて間もなく入籍。シンシア42歳、彼は14歳年下の28歳だった。

「『僕はビザがない。籍を入れなければ日本にいられない』とソジュンに言われ、早々に入籍を決めました。クリスタルと3人で、横浜の私の家で暮らしを始めます。クリスタルに『彼はこんな仕事だけど、これからまじめに働くと言っているから』と伝えると、『わかった。幸せにしてやってね』と彼に言ってくれました。

 最初は本当に幸せでした。彼はホストクラブを辞めて、家で料理や掃除をしてくれたりと、とことん尽くしてくれた。けれど入籍の3か月後、事件が起きた。

 突然ソジュンが韓国へ送り返されてしまった。彼は『入籍すればビザが手に入る』と言っていた。だけどそうはならなかったようです」

 ソジュンは韓国へ帰ったが、入籍は済み、婚姻関係は成り立っている。韓国と日本の遠距離婚が始まる。

入籍したのだからしょうがない、このまま頑張って結婚生活を続けよう、と腹をくくりました。韓国と日本を行き来する二拠点生活の始まりです。彼は韓国で仕事を探していると言っていた。仕事が見つかるまでということで、私が月々の仕送りをしてソジュンの生活を支えていました。しかし、いつまでたっても彼が働く気配はありません。そのうち嘘が見え隠れしてきました」(次回に続く)

<取材・文/小野寺悦子>