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ー 流行している「16時間断食」の効果は

 一日のうち16時間は何も食べず、残りの8時間は何を食べてもいいという16時間断食。細胞の新陳代謝の活性化や有害物の排除を促す“オートファジー”と呼ばれる健康法としても知られており、シンプルでわかりやすいため、菊地亜美や、『EXIT』の兼近大樹なども実践している。

 そして、“しょこたん”こと中川翔子(38)も、16時間断食にチャレンジした一人。何を食べてもいい8時間を「無敵タイム」と呼び、今年の3月に自身のYouTube番組で意気揚々とダイエット開始を宣言した。だがその宣言から数日後、SNSで「16時間ダイエット、カロリーオーバーしたらあっさり太るやんけ」と発信。

 無敵タイムといえど、カロリーオーバーしたらその分体重は増加することに気づいたと明かした。

流行している「16時間断食」の効果は

「消費カロリーより摂取カロリーがオーバーすれば、体重は増えてしまいます。そうでなくとも、食事の時間を16時間も空けてしまうと、断食あけの食事は血糖値が非常に上がりやすくなります。炭水化物を制限するダイエットと同様、この方法も、暴飲暴食を招きかねません」(岡田さん、以下同)

 そもそも16時間断食ダイエットは、夜型傾向にある現代人には適さない、と管理栄養士の岡田明子さんは言う。

「近年、BMAL1(ビーマルワン)と呼ばれる体脂肪を増加させるタンパク質が、体内にあることが発見されました。このタンパク質は、夕方から増え始め、夜中の午前2時でピークを迎え、その後また減っていきます。そのため例えば、BMAL1の少ない朝9時から夕方17時までを“何を食べてもいい8時間”に充てれば、体脂肪の増加が抑えられるので、減量できる可能性は上がりますが、日々忙しく毎日同じスケジュールではない、特に芸能人の方には現実的ではない生活スケジュールで、継続は難しいかもしれませんね」

 さらに岡田さんは、断食で一時的にダイエットに成功したとしても、その後、リバウンドしてしまう可能性が非常に高いと指摘する。

「断食全般に言えることですが、食べる量を減らせば確かに体重は落ちます。ですが、同時に脂肪燃焼に必要な筋肉も落ちてしまう。しかも断食を終えても、落ちた分の筋肉は戻らないので、結果的に基礎代謝が落ちて、ダイエットに失敗するどころか、太りやすい身体になってしまうんです」

 断食を取り入れても、短期間で無理に行うダイエットは、リバウンドの可能性が非常に高い。バランスの良い食事、適度な運動、健康的な生活を送ることこそ、“無敵”なダイエット法といえそうだ。

岡田明子 管理栄養士。自身の経験を生かして食べてきれいにやせるダイエットメソッドを確立。著書に『朝だから効く!ダイエットジュース』(池田書店)など

取材・文/後藤友美(ファイバーネット)