麗との共通点は顔と適応能力
前作と同様、全力でまじめに演じる役者たちにクスクスと笑ってしまうシーンが続く。
「ボクら(俳優)は、ひたすら真剣にやっているだけなので“これは面白いものになる”と実感することがないんですよ。
監督がやりたいことや、求めていることに100%応えているとは思うのですが、それがはたして面白いものになるかどうかっていうのは、おそらくボクだけじゃなくて、ほかの役者の方たちもわかっていない。
それに、現場を面白くしようと思って演じる役者は、監督に怒られる。どうしても、現場で面白いと感じるものは身内ウケする内容になってしまうことが多いので。スクリーンの外に届く面白さっていうのは、客観性が非常に必要なんですよ」
自身の演技が不安になると、監督に確認した。
「“これで大丈夫ですか?”と聞くと、監督がニヤニヤ笑っている。“いや、いいですね~”という言葉を聞いて、これでいいんだと思えるんです。それは、前作も一緒。
ボクは終始、映像をチェックするモニターの前で“くだらない”と言っていたと思います(苦笑)。基本的に、監督にこういうことをやってほしいと言われたときに、“それはできない”というやりとりはない。求められたことは全部やるので」
前作で作り上げた麻実麗を今作でも忠実に演じている。それは、旋風を巻き起こすほどに全国に広がっていった映画ファンへの熱い思いから。
「麻実麗を好きな人がたくさんいるので。(続編だから)バージョンアップだと考えて過剰表現するとキャラクターが壊れる、もしくは見えなくなる。それがいちばん本末転倒なこと。
たぶん、ふみちゃんも同じで、すごく大きなキャラクターの変化ということをなるべくやらないようにしていると思います。愛してくれている方たちを裏切りたくない思いが強いと思うので」
役作りへの熱い思いを語ってくれたGACKTに麗との共通点を聞くと、
「顔ですかね……。あとは、目の前で起こるトラブルに対して、自分のできる限りの方法で解決していく、いわゆる適応能力というか、包容力という部分は似ているんじゃないですか」