マツコの「幸せ」持論

 マツコは以前から幸せについて度々持論を展開し、視聴者から多くの共感を得てきた。2022年4月に出演した『しゃべくり007』(日本テレビ系)では「幸福感を感じない人が、食に走るらしいのよ」と持論を展開。これにはネット上で共感の声も多く、取り上げたツイートには29万件もの「いいね」が寄せられた。

「欲求不満を抱えている人が、その埋め合わせとして食べ過ぎたりするのはよくあることです。美味しい食事をとれば快楽物質であるドーパミンが放出されて、幸福感を感じますから」(某メンタルクリニック院長)

 しかし視聴者が心配するレベルの発言も見え隠れしている。『マツコ会議』(日本テレビ系)にロックバンド「マカロニえんぴつ」が出演した際、ボーカルのはっとりが「本当の幸せを感じた瞬間なんて1回もない」というマツコの過去の発言に共感する場面が。それにマツコは「あの、それを感じてしまっている人は一生幸せになれないわよ!」とツッコむ。

 また、「どっか突き放してる部分もあるし、諦めてる部分もあるし、物凄い自分を客観視しすぎてるところもあるし、そういうのがいっぱい合わさった人が、幸福感を感じないんだと思うのよ」とも。「なんで幸せになれないんだろう」と複雑な心境を吐露する場面もあった。

 また今年10月23日放送の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)では、別に勝とうとも思わずボーっとするためにパチンコ店に行き、帰りにブックオフ寄って、マクドナルドに寄って帰るブレイク前の生活が「今より全然幸せだったよ」と語っている。

 マツコは、「金がなくてね、夢や希望を語っている時が一番楽しい」とも述べ、もう一人のMC・関ジャニの村上信五も「ホンマに!いやもう、これはもう本当にそうよね!」と同意。

 おすぎとピーコという辛口おネエ系ご意見番の系譜を継ぐだけでなく、人生とは、生き方とは、を視聴者に考えさせる語り口で好感度も獲得してきたマツコ・デラックス。このような「満たされないキャラ」や常々語る「いつ引退してもいい」という執着の無さも人気に寄与してきたが、あまり長く続けると別の波紋も呼びそうだ。最強の“かりそめキャラ”の行く末はーー。