【1】横隔膜呼吸で下腹ぽっこりを解消

 呼吸が浅い人は横隔膜も動きにくくなっている。そこで横隔膜を動かす練習にトライ。 

「横隔膜が大きく動くと、それに伴って呼吸に関わる筋肉も動くため、吐くときは胸がしぼみ、お腹がへこみます。反対に吸うときは胸とお腹がふくらみます。この横隔膜と胸・お腹の筋肉の連動を意識して行う呼吸を私は『横隔膜呼吸』と呼んでいます」

 奥仲先生は自身のエックス線検査で、呼吸に伴う横隔膜の動きを確認。息を吐いたとき、横隔膜が10cm程度、大きくせり上がることがわかり驚いたそう。この上下運動で、肋骨の周囲にある肋間筋や腹筋、骨盤の底にあり膀胱や子宮を支えている骨盤底筋群も刺激される。

「中高年世代の女性は、そこそこ運動していても下腹がぽっこり出ている人が多いはず。しかし横隔膜呼吸を普段から行うと、呼吸するたびにウエストのくびれをつくる腹斜筋、お腹を内から引き締める腹横筋、尿もれに関わる骨盤底筋群などお腹まわりのインナーマッスルが刺激されるので、2週間~1か月という短期間でウエストや下腹がサイズダウンします」

 呼吸で横隔膜が動くと、それにひきずられて腸などの内臓も動く。

「横隔膜が上がったりストンと落ちたりする動きによって、腸もダイナミックに動きます。すると、便秘などの腸トラブルが改善。また横隔膜を動かすと副交感神経のスイッチも入ります。ですから、長いレジ待ちにイラッとしたときや家族にムカッとしたときなどは、横隔膜呼吸で高ぶった気持ちを静めるといいでしょう」

 横隔膜呼吸は立つ、座る、寝る、どんな姿勢でも実践が可能。いずれにせよ吐くとき、全力でお腹をへこませることで高い効果が得られる。

「お腹をうまく動かせない人は、両膝を立ててあお向けに寝て、片手を鎖骨の下、もう一方の手をへその下に当てて横隔膜呼吸をしてみましょう。胸とお腹の動きを確認しながら呼吸することで、お腹を動かす感覚をつかめるようになります。また鼻で吐くのを難しく感じる場合、口で吐くことから始めてもかまいません」

1.背筋を伸ばしてスッと息を吸う。お腹をへこませながら5~10秒かけて鼻から息を吐く

1.背筋を伸ばしてスッと息を吸う。お腹をへこませながら5~10秒かけて鼻から息を吐く 撮影/岩谷優一(vale.)
1.背筋を伸ばしてスッと息を吸う。お腹をへこませながら5~10秒かけて鼻から息を吐く 撮影/岩谷優一(vale.)
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2.もう吐けないところまで吐いたら、お腹に力を入れてもう一度、吐く

2.もう吐けないところまで吐いたら、お腹に力を入れてもう一度、吐く 撮影/岩谷優一(vale.)
2.もう吐けないところまで吐いたら、お腹に力を入れてもう一度、吐く 撮影/岩谷優一(vale.)

3.自然に入ってくる空気を鼻から吸う。1〜3を4~5回繰り返す

3.自然に入ってくる空気を鼻から吸う。1〜3を4~5回繰り返す 撮影/岩谷優一(vale.)
3.自然に入ってくる空気を鼻から吸う。1〜3を4~5回繰り返す 撮影/岩谷優一(vale.)