このような上から目線のような否定的な意見もあるが、それだけではない。

《これまで頑張ってきたことへのプライド。でも、これがあるからまた頑張ることができる》

《誰かをけなしておごっているわけじゃない》

《ストレートでのあんな負け方…屈辱でしょう。それを素直に認めて発言してるのに、なんで上から目線だとか言われないといけないのか?》

賛否が分かれるワケ

 なぜこのように賛否分かれる意見が出ているのか。

「伊藤選手は実績で平野選手を上回ってきたので、“下だった選手に追い抜かれたからそんなことを言うのか”と感じた人が少なからずいた。

 ただ、伊藤選手は基本的に歯に衣着せぬタイプで、通常営業的なところはあるのですが……」(前出・ライター、以下同)

 伊藤はこれまでも「今日の練習そこまで気合が入らなくて」「気持ち的には飽きちゃってる」など思ったことをそのまま口にすることが少なくない。五輪代表の選考方法の変更に疑問を投げかけたことも。

「“巨人軍は紳士たれ”じゃないですが、日本は年配層を中心にスポーツ選手に品行方正な態度・発言を求める人が少なくない。

 日本のエースだった立場を脅かされている伊藤選手の言動をバッシングしたい人もいるのでしょう」

 他スポーツでもイチローに野茂英雄、中田英寿に本田圭佑といった選手は“特異”だと映り、時にその姿勢は批判された。

「結局は結果がすべてなのがアスリート。五輪出場と結果がついてくれば“さすが伊藤美誠!”“逆境をはね返すメンタル”と批判している人も手のひらを返すでしょうね」

 手首がちぎれるほど繰り返す手のひら返しはネット民の得意技。伊藤は来年1月の全日本選手権に「最後まで諦めることはしない」と望みをかけている。