正規ルートと闇ルート、どうやって見分ければいいのか。国は2018年に「国産ジビエ認証」という制度をスタート。
正規ルートの中でも特に安全性が認められた商品には「国産ジビエ認証」というマークがつくようになったため、ネットやスーパーなどで購入する場合は、そのマークがついている商品がおすすめだ。
ていねいに処理された肉には臭みは一切ない
ジビエ肉の一番の魅力はなんだろうか。
「ずばり、おいしさです。一般的な牛や豚、鶏はすべて家畜です。もちろん、家畜の肉にも安定して供給できるなど、いいところはたくさんありますが、天然の肉には家畜の肉にはないおいしさがあります。
天然の野生動物は野山を走り回っているため筋肉質。鹿肉などの赤身肉は肉本来の味を楽しめ、いのししなどの脂身はさっぱりしていて、もたれません。ていねいに処理された肉には臭みは一切ないので、ご安心ください」
栄養面でも、例えば鹿肉は高タンパクで低カロリー、鉄分やビタミン類も多く含んでいる。
どんな食べ方がおすすめか、鹿やいのししの肉をスーパーや道の駅に卸している広島市の業者に聞いた。
「しゃぶしゃぶが一番ですね。脂のとろけるようなうまみが口いっぱいに広がります。あとは、唐揚げやカツなど、揚げ物にしてもおいしく食べられます。生食や表面だけを炙る“たたき”は食中毒のリスクがあるのでNG。しっかり中心部まで火を通して食べるようにしてください」(株式会社フレッズ東京営業所所長の曽田敏幸さん)
ひき肉ならハンバーグやミートボールにすると赤身のうまみが感じられておいしいと、長年、ジビエ料理を作っているシェフでもある藤木さんが教えてくれた。
東日本ではまだほとんどスーパーに並んでいないジビエ。レストランやビストロのメニューにあったら、注文してみてはどうだろう。
流通の問題がクリアになれば、牛肉、豚肉、鶏肉に続く“第4の肉”になる日も、そう遠くないかもしれない。
※お近くで入手できない場合は、国産ジビエ認証を受けている食肉処理施設「信州富士見高原ファーム」(TEL0266-65-3213)までお問い合わせください。
取材・文/八坂佳子