緊張感で“オエッ、オエッ”

 ちはるさんの心に、今も強烈に印象づけられている出来事がある。『やるやら』がまだ始まったばかり。番組の継続もウンナンのタレントとしての将来も、ここが勝負という時期のことだった。

「コントを生でしていた時代があったんです。その最初の半年間ほどですが、“よーい、スタート!”がかかるまで、ウッチャンもナンチャンも緊張感で“オエッ、オエッ”とずーっと嘔吐しているんです。それぐらい、プレッシャーがあったんだろうと思います

 番組同士のつばぜり合いもあり、それはちはるさん自身にも無縁ではなかった。

 メイク室でオレンジ色のメイクをし、顔に線を入れていると、大ファンだった某有名アーティストが声をかけた。

『大変だよね……。ところでその扮装、なんていうの?』って。当時は話しかけてもらえてうれしかったですが、今になって考えると、そのアーティストを通じてライバル番組からの探りだったんですね。なんでもないようなメイク室での出会いにも、当時思っていたよりずっと深い思惑とかがあったんだろうなあと思います(笑)」

 タレントたちが画面で見せる軽快なコント。その裏には、競争心や計り知れないプレッシャーがあったようだ。

 しかし『やるやら』は番組内での死亡事故により打ち切り。その後はミモーマモーのコントも、あまり触れられなくなってしまった。

当時と雰囲気の変わらないちはるさん。ユーモアたっぷりに昔を振り返る
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【写真】『やるやら』で一世を風靡したちはるさん扮する『ミモー』

 プライベートでは1994年に結婚し、長男を出産。離婚したものの、2012年には再婚している。お相手は最初の夫の後輩で、なんと14歳年下という“年の差婚”を実現させた。

彼はちょうど大阪に住んでいたんで、舞台で1か月大阪に行かなきゃいけない時なんかに、朝ごはんを食べる場所を教えてもらったり車を出してもらったり。“よくしてくれていた後輩の男の子”といった感じで、そこから生まれた付き合いでした」

 夫婦円満のコツは、“束縛しすぎないこと”だとか。

“ああじゃない、こうじゃない”とか“誰とごはんを食べに行ったの?”など探ったところで、お互いにイヤな気持ちになるだけです。だから気にしすぎない。大目に見合うようにしていますね」