倹約家の裏に歴史あり

「戦地となった過去が慎ましい生活に影響」

 倹約志向になる理由については「歴史と深い関わりがある」という。

「戦国時代、岐阜は幾度となく戦場になりました。自分の住む地で戦があったからこそ“備えの大切さ”が身にしみている。さらに小さな村単位で行動してきた歴史もあり、身内への意識が高い。

 倹約は“生活を切り詰めても、子孫に財産を残す”といった意識が高い結果では

 奈良もまた歴史ある古都。

「自分の世界観をしっかり持ち、他人の意見に振り回されることが少ない傾向が。流行りものに惑わされることなく、本当に自分に必要なものを買う。その精神が倹約につながっているのでしょう」

自身を倹約家だと思っている割合
第1位:岐阜県 61.0%
第2位:奈良県 60.0%
第2位:宮崎県 60.0%
第4位:新潟県 58.0%
第5位:愛媛県 57.0%

出典:ソニー生命保険「47都道府県別生活意識調査2022」
出典:ソニー生命保険「47都道府県別生活意識調査2022」
【写真】アンケートで判明「浮気した人数ランキング(男女別)」

家族を大事にするのは?

「博愛精神の強さが家族仲にも影響する」

 家族仲の良さランキングで1位を獲得したのは熊本県。

「明治時代、熊本県は西南戦争の戦場でした。西南戦争中には、日本赤十字社の前身となる『博愛社』が設立されています。

 曽祖父の時代だとしても、戦争で大切な人を失った経験が身近だから、熊本県民には“より多くの人を救いたい”という博愛の精神が備わっている傾向が。

 そのため、大切な家族と仲良く暮らしたいと考えるのはごく自然なこと。熊本県民の愛情深さがランキングの結果として表れている印象です」

家族仲がいいと思っている人の割合
第1位:熊本県 78.0%
第2位:和歌山県 77.0%
第3位:宮崎県 76.0%
第4位:富山県、愛知県、山口県、福岡県 74.0%

出典:ソニー生命保険「47都道府県別生活意識調査2022」
出典:ソニー生命保険「47都道府県別生活意識調査2022」

中毒性あり!?ネットショッピング好きな県

「広島県民はネットでポチる新しモノ好きな県民性

 和歌山県民は、生来の「のんびり気質」が、ネットショッピングの利用頻度を上げる要因になっている、と岩中さんは話す。

「和歌山県の人々は、外出せずマイペースに買い物ができる通販とは相性がいい。しかし、2位の広島県は便利さよりも『新しもの好き』という県民性が影響しています。少しでも時間があれば、ネットで目新しいアイテムを見つけて購入する。

 それが楽しみのひとつになっているのです」

 年末年始の散財には要注意のようだ。

ネットショッピングの頻度が増えた割合
第1位:和歌山県 43.0%
第2位:広島県 35.0%
第3位:栃木県、神奈川県、長崎県、宮崎県 34.0%

出典:ソニー生命保険「47都道府県別生活意識調査2022」
出典:ソニー生命保険「47都道府県別生活意識調査2022」
作家・岩中祥史さん●出版プロデューサー、ノンフィクション作家。編集企画会社エディットハウスの代表取締役。編集者として多くの書籍を世に出し、自らも『新・出身県でわかる人の性格』(草思社)など県民性に関する著作を多く執筆。
作家・岩中祥史さん●出版プロデューサー、ノンフィクション作家。編集企画会社エディットハウスの代表取締役。編集者として多くの書籍を世に出し、自らも『新・出身県でわかる人の性格』(草思社)など県民性に関する著作を多く執筆。
教えてくれたのは……作家・岩中祥史さん●出版プロデューサー、ノンフィクション作家。編集企画会社エディットハウスの代表取締役。編集者として多くの書籍を世に出し、自らも『新・出身県でわかる人の性格』(草思社)など県民性に関する著作を多く執筆。

取材・文/とみたまゆり