今年も、荒井勝喜元首相秘書官の「(同性婚カップルに対して)見るのも嫌だ」や、桜田義孝衆議院議員の「女性議員は発言しない人が多い」など、舌禍に注目が集まった。こんな人たちを頼っていいわけがない!
「想像力が欠落している人が政治家をしていることがわかる。政治家の発言を反面教師にしないといけない国ってなんなんだろう」と、吉田さんはガックリと肩を落とすが、「『パーティー券を売ることが大変で。ノルマが……』とこぼした桜田さんにはグッジョブと言いたい」と笑う。桜田議員は、今や毎年何かしらの失言をする“失言製造機”と化している。
「派閥の政治資金パーティー問題が自民党を揺るがしていますが、桜田さんの発言は、二階派から課されるノルマがきついことを暴露したことに加え、パー券をさばけないほど、自分に人望がないことも物語っている。いろいろと情けなさすぎる!(笑)」(吉田さん)
国のトップ、岸田文雄首相が、「検討に検討を重ねる」「検討を加速する」などと迷言を連発しているのだから、情けない政治家ばかりになるのも必然か。国民から、「増税メガネ」と揶揄されるのも納得だ。
スポーツ界から笑顔にさせてくれた名言が
あまりの失言、迷言の多さに暗澹(あんたん)たる気持ちになってくるが、今年、私たちを笑顔にしてくれた名言がなかったわけではない。吉田さんは、広末涼子の“あの”フレーズを称える。
「個人的に、鳥羽周作氏と不倫をしていたことが発覚した広末涼子の《きもちくしてくれてありがとう》は名言だと思います。つたないラブレターの中に、性的な背景が丸見え。みんながLINEで済ませてしまう中、あらためて手紙ならではの素晴らしさを教えてくれた」(吉田さん)
また、大野さんは「発言そのものは失言」と前置きした上で、秋田県・佐竹敬久知事の「じゃこ天は貧乏くさい」騒動を、「その後のフォローを含めると明るい話題」と評価。佐竹知事は発言後、特産としてじゃこ天を扱う四国4県の知事に陳謝。すると、秋田県を含む5県での物産展が開催されるまでに。その結果、じゃこ天の売り上げは伸び、秋田県民からもネットや電話での注文が相次いだという。
「失言、謝罪という流れで終わるのではなく、メリットを生み出した。佐竹知事が信用されていなければ、周りからのフォローもなかったはずです。裏を返せば、トップに信用があれば、ピンチはチャンスにかえられるということ」(大野さん)
旧ジャニーズやビッグモーター、日大にも名言が生まれる可能性はあったのだ。しかし、保身や言い逃れに奔走した結果、自らが路頭に足を踏み入る迷言を生み出してしまった。