佳子さまは、連続8人目となる女性皇族
6日午前、紀子さまの腕に抱かれた佳子さまが宮内庁病院を退院した。身長は誕生時と変わらなかったが、体重は2848グラムと、出生時より82グラム増え、成育は順調だった。
《皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する》と現行の皇室典範に定められ、女性皇族は天皇になる資格がなく、結婚すると皇室を離れることになる。こうした男性中心の皇室にあって1965年11月30日の秋篠宮さまの誕生を最後に、2006年9月6日、佳子さまの弟である悠仁さまが生まれるまで丸41年近く男子の誕生はなかった。皇位を安定的に継承する上で危機的な状況が続いていた。ちなみに佳子さまは、連続8人目となる女性皇族の誕生だった。
こうした状況を受け、皇位の継承者である男子の誕生を待ち望む国民の声は次第に大きくなり、宮内記者たちもそうした事情を考慮していろいろと質問を試みていた。前述した
'94年11月の誕生日会見で秋篠宮さまは、「今度のお子さまは男のお子さまがよろしいか、女のお子さまがよろしいか、何かご希望はございますか」と、記者たちから尋ねられている。これに対して、
「男親としては何となく女の子が欲しいような気がしているんですが、間近になってきますとですね、やはり、何ていうんでしょうかね、元気な子であれば、もうそれは男女の性別ということではなくて、それでいいのではないかなと、そういうふうに思っております」と、答えている。
皇室は男性中心の世界であると前に述べたが、実は上皇さまも秋篠宮さまも、かねて女性皇族の存在や役割を高く評価しているのだ。'05年12月、誕生日を前にした記者会見で上皇さまは次のように女性皇族へのエールを送っている。
「皇室の中で女性が果たしてきた役割については私は有形無形に大きなものがあったのではないかと思います。(略)女性皇族の存在は、実質的な仕事に加え、公的な場においても私的な場においても、その場の空気に優しさと温かさを与え、人々の善意や勇気に働きかけるという、非常に良い要素を含んでいると感じています」