1983年ごろと、2005年ごろに続き現在、第3次ブーム真っただ中の豆乳。豆乳専門店や豆乳カフェが続々と出店されるほどの人気ぶりだ。
生活習慣病の予防、美肌にも役立つ栄養たっぷり
「スーパーでも豆乳コーナーが拡大され、コーヒー、紅茶、抹茶味だけでなく、いちごや白桃などの果物系、クリームソーダやアフォガードなどのデザート系まで個性的なフレーバーも出ています。
カフェでも、豆乳のカスタマイズや、豆乳ドリンクが選べる時代になってきました」
と教えてくれたのは、管理栄養士で豆乳マイスター“プロ”など、大豆・発酵関連の資格を多数持つ専門家、藤橋ひとみさん。
なぜ、今また豆乳ブームが到来しているのか?
「まずは近年の健康志向で大豆食品が健康によいという認識が広まったこと。特に豆乳は、そのまま飲める手軽さがいいですよね。
ほかにも、ベジタリアンやヴィーガンが増えて大豆ミートなど代替品需要が高まってきたことや、SDGsの認知が広がり、環境負荷の高い肉類の代わりに植物性食品、プラントベースフードの食事が注目されていることも要因と考えられます」
豆乳は、大豆由来の良質な植物性たんぱく質など健康維持に必要な栄養素を含み、特に女性にうれしい働きを持つ栄養素が豊富なのだそう。
「まずは、おなじみの大豆イソフラボン。植物エストロゲンのひとつで、その化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)に似ており、エストロゲン受容体(※)に結合。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防や更年期症状の緩和など、女性の健康に役立つことが明らかになっています」(藤橋さん、以下同)
※エストロゲン受容体とは…女性ホルモンのひとつ“エストロゲン”と結合する。エストロゲンは排卵や月経、乳腺の発達をサポートする働きがある。
ほかにも大豆イソフラボン、サポニンなどは美肌づくりに役立つ抗酸化物質が含まれ、肌にいいビタミン・ミネラル類がとれるのもポイント。
さらに特に女性におすすめしたい豆乳のスゴさは、
「日頃不足しがちな“鉄”や妊娠期に特に必要な栄養素“葉酸”を多く含むこと。貧血予防にもなるんです」
豆乳が優秀なのはそれだけではない。日本人がとりすぎ注意なのが、生活習慣病のリスクを高める飽和脂肪酸。肉や乳製品などの動物性脂肪などに多く含まれる傾向にあるが、
「豆乳には、飽和脂肪酸がほとんど含まれていないんです」