AGEはあらゆる病気の原因にも
いったん体内で作られたAGEは、その大部分がタンパク質の“寿命”とともに体外へ排出される。そのうち出ていくのなら、気にしなくてもいいのではと思いたいが、そうはいかない。場合によっては、取り返しのつかない事態を招くこともある。
「AGEは、体内のさまざまなタンパク質にたまって悪影響を与えます。そこで重要視すべきは、タンパク質それぞれの“寿命”。数分で入れ替わるものもありますが、例えば、関節の軟骨の寿命は約100年と長い。
生まれてから死ぬまで入れ替わることがなく、そこにたまったAGEは体外に排出されることなく、身体に害を与え続けることになるのです」
特に注意すべきは、体内のタンパク質の約30%を占めるコラーゲンだと牧田先生。
「コラーゲンは、肌だけでなく、骨や内臓など、身体の至るところに存在していますが、その寿命は平均14〜15年とかなり長いんです。
実は、血管を形成するのもこのコラーゲンであり、血管の老化現象である動脈硬化は、AGEによって引き起こされることがわかっています。血管にたまった悪玉コレステロールがAGEと結び付き、動脈を硬くしてしまうのです。
血管が硬くなると、栄養や酸素を運ぶ機能までもが落ちてしまう。AGEが引き起こす動脈硬化は、老化すべての要因だといえます」
最近の研究で、AGEはアルツハイマー型認知症の発症にも関連していることがわかってきた。AGEは、美容のみならず、健康にまで甚大な影響を及ぼすのだ。
老けや不健康の元凶であるAGEをできるだけためないためには、どうすればいいのか。AGEは、その多くが食べ物によって体内に取り込まれる。日々の食事に気をつけることで、AGEを抑え、いつまでも若々しくいることができるというわけだ。