「今が一番いい時期じゃないですか。もう少し大きくなると友達のほうが良くなってくるだろうし。それまではと思って、今はなるべく娘と一緒に過ごすようにしています」
娘を優しく見守るその顔はほっそりシャープで身体もぐっと引き締まり、何とも若々しい。聞けば、10キロもの減量に成功したとのこと。
「肥満遺伝子検査を受けて、自分のタイプを調べてもらったんです。僕は脂質で太るタイプだとわかって、それからは揚げ物やマヨネーズは避けたりと、脂をできるだけとらないよう意識しています。以前はスポーツジムに通ってもなかなか痩せなかったけれど、脂質を控えてから体重がキープできるようになりました」
“あぁ素敵な職業に就いたな”
1984年にデビューし、今年で芸能生活40周年。記念公演を計画中だと明かす。
「僕の企画で9月ごろ下北沢で公演をする予定です。舞台はやっぱりライブ感が魅力。いつも演出と脚本を手がけてくれる後輩がいて、彼と今どういうものをやろうか話していて」
アイドル人気から一転、不遇の時期も味わった。波瀾万丈の俳優人生を振り返り、「よくやってきたねと自分を褒めてあげたい」と笑う。
「この仕事でよく40年もやってこれたなと思います。俳優で40年食べていく、残り続けるのってなかなか難しいから。人気だけではダメで、運もあるし、人とのつながりも大きい。人とちゃんと接していれば、助けてくれる人もいる。一番はそこなんじゃないかなって最近思うようになりました。僕が大切にしているのは、嘘をつかずに正直に生きること。最近はいい子が多いけど、僕は正直に言いたいことを言っています(笑)」
若いときとは仕事との向き合い方も変わった。そこで改めて気づいた思いもあるようだ。
「若いときは、この仕事を選んでしまったからにはやるしかない、逆に言えば、他には何もできないからという気持ちでいました。でも今は、健康でセリフがきちんと話せる限り俳優を続けたい。この年齢になって“あぁ素敵な職業に就いたな”って本当に思います。今の目標は、あと10年、70歳までこの仕事を続けること。でも本音を言えば、80歳まで俳優でいられたらいいなと思っているんですけどね」
取材・文/小野寺悦子