テレビ局側にもメリットが
SNSの普及により若者の間で起こった、昭和から平成にかけての音楽の再ブームも人気を後押ししているそう。
「近年、アーティストたちが続々とカバーをしたり、TikTokでもよく使われたりしているので、10〜20代の若い子たちにも昔の曲はキャッチーで耳なじみもある。一方、40代前後の親世代にはど真ん中で懐かしい楽曲ばかり。しかも、歌唱力を競うような番組は採点のドキドキ感も味わえる。そういった部分が視聴者にハマり、ファミリー視聴が見込める数少ないコンテンツとして再評価され、増えています」
カラオケ番組は、テレビ局側にもメリットがあると木村さん。
「基本的にセットとキャストがいれば成立するので、制作費が抑えられますし、番組の構成もやりやすい部分はあります。何より、番宣を絡めて人気アイドルや俳優などのキャスティングがしやすい。今は歌手活動だったり、ミュージカルにも出るような歌のうまい俳優も多いですし、番組的にも視聴率が見込めるというメリットはあります」
昨年末の『第74回NHK紅白歌合戦』の視聴率が過去最低を記録するなど、昔ながらの音楽番組が衰退。カラオケ番組のような音楽バラエティーは飽きられずに、今後も増えていくのだろうか。
「今の音楽バラエティーは歌と踊りがメインで、そこにエンターテインメント性を加えていくのが主流になっています。視聴率も悪くないですし、まだまだ見せ方はあると思うので、しばらくはこの人気が続くと見ています」