自身も視聴していたという芸能評論家の宝泉薫氏は「はたして差別の声は沖縄から上がったものなのか」と、問題提起がなされた背景に疑問を持つ。
「もっと言えば(番組を)見ていた視聴者から出たものなのか。ここ数年、いやもっと前でしょうか、テレビだけでなく人に対しても粗探して叩きたい人が増えていて、少数派なんですけども声が大きい意見ばかりがネットメディアで取り上げられている印象です。
こうして番組側もコメントせざるを得ない状況になってしまうと、例えば今後は東北や大阪弁などで企画しようにも二の足を踏んでしまう。制作側も萎縮してしまい、バラエティ番組をおもしろく観たい視聴者にとって迷惑千万な話だと思います」
時代とともに差別意識も変化してきている
視聴者の多くが「楽しめた」「気にならなかった」との感想を述べている一方で、沖縄方言を禁止とする企画を“差別”と捉えた一定の世代がいたのも事実だろう。とはいえーー、
「終戦から今年で79年、現在も基地問題を抱える沖縄の歴史を語り継いでいくことはもちろん大切ですが、戦後の昭和に生まれた人、平成、令和で生まれて育っていく人にとってみれば“昔のこと”であって、差別意識も変化してきていると思います。
それでも沖縄の歴史背景、特質性を多少頭に置いておくと(番組は)やや冒険的な感じだったとは思いますが、それが(放送)できるようになったということはある種、沖縄が特別ではなくなってきたとも感じましたね」(宝泉氏)
ヤフーニュースで騒動が大きくなったことを受けてか1月23日、Xを更新して《沖縄で方言禁止という歴史があったことを考えると、今回の案件は一発アウトだと思う》と、あらためて言及してみせた茂木氏にとっては許しがたい“差別”に映るのだろう。