セリフなんか変えちゃえばいいんだから
「テレビのプロデューサーは、クリエイティブに対するコンプレックスがあるような人が少なくない。自分が創作できないから、コマとして上から使いたいというような。以前某局のプロデューサーの人に“Pやってみたら、向いてるんじゃない?”みたいなことを言われて。それより自分は作りたい、セリフとかを書きたいんですよと返したら、“Pになって、セリフなんか変えちゃえばいいんだから。書けるじゃん”って。
まさに脚本や原作を書いている自分に面と向かってそれを言うってだいぶこの仕事をないがしろに、下に見ているなって印象に残っていますね(苦笑)」
今回は原作が脚本家によって“改変させられた”形だ。
「今、テレビを見ないという人は多くて視聴率も下がっている。昔はドラマにも才能が集まっていましたけど、今はそうじゃない。才能って売れている業界に集まりますから。今であれば漫画とか。そんななか原作漫画の人気にあやかった実写化にあたって、どういう脚本家が重宝されるか。局側やプロデューサーの指示通り、都合通りに“改変”してくれる人です。そういう人、何人も見てきましたが、可愛がられてますねぇ」
ドラマの制作側の意見として、「漫画はこうだけど、ドラマとして売れるためにこうしたい」という考えによる改変はあるのではないか。
「そこで重要なのは、創作物に“勝ち筋”なんてものは極論言ったらないんですよ。売れるためにこうすると言われても、そうして作られたのに大ハズレしたドラマなんて山ほどあるから、原作側は信じられないですよね。ドラマ側は本当に意図を持って変えたいのであれば、とにかく原作側にコミュニケーションを取って真摯に説明するしかない」