目次
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ー 自覚症状もなければ、非喫煙者だった
Page 2
ー がんのことは手術まで公表せず
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ー 今年で結成35周年過去最大の全国ツアー

 

 “きっと大丈夫だよ!”と僕を支えてくれた

「検査結果が送られてきたけれど、しばらく放っていたんです。あるとき息子に“これ、見なくていいの?”と言われて、僕も“あ、そうだ”と思って。息子が言ってくれなかったら、発見がずっと先になっていたかもしれない。虫の知らせじゃないけれど、気づかせてくれてよかった。本当にありがたいなと思っています」

 と言うのは、ミュージシャンでLUNA SEAボーカルの河村隆一さん。人間ドックで肺にすりガラス状の陰影が見つかり、再検査に進む。呼吸器内科から始まり、呼吸器外科のセカンドオピニオンを経て、「ステージ1の肺がん」と診断された。

自覚症状もなければ、非喫煙者だった

「実際にがんと言われたときはびっくりしました。再検査のとき、“これはおそらくがんでしょう”と先生に言われてはいたんですけど、確定するとなるとガツンと……」

 自覚症状もなければ、非喫煙者で、もともと健康に不安はなかった。人間ドックも年に1回は受けていた。

「それまで何の異常もなかったので、自分は健康だと思い込んでいました。ちょっと高をくくっていたというか。ただ自分でもすっかり忘れていたのだけれど、祖父母がやはり肺がんになったことがあったんですよね」

 と話す。

 肺がんとひと言でいってもいくつかの種類に分かれ、河村さんが罹患したのは肺腺がん。肺がん=喫煙者のイメージが強いが、肺腺がんは非喫煙者や女性にも多くみられるがんで、肺がん全体の約半数を占める。早期の場合自覚症状は現れにくいため、検診などで偶発的に発見されるケースが多い。

「僕は幸い早期発見だったけれど、やっぱりこれは死に至る病だなという意識はありました。先生には“そのがんがもし肺の外にこぼれたら、腎臓や胃など他の臓器に転移し、ステージ1からいきなりステージ4になる可能性がある”と言われて。仕事を調整しつつ、手術を受けようと決めました」