がんのことは手術まで公表せず
2019年1月に入院。がんはまだ9ミリ程度と小さく、肺の左胸壁に近い場所にできていた。肋骨の間に穴を開け、そこからがんを切除する、腹腔鏡手術を受けている。だがこれも早期のがんだから叶うこと。ステージが進むと手術は難しく、放射線治療や抗がん剤治療に頼ることになる。
がんのことは手術まで公表はしなかった。手術を受け、病室に戻ったときに、ブログで《元気ですよ。全てが終わって、もう大丈夫です。》という形で伝えた。
「ファンのみなさんに対しても、伝えるのであれば明確に、伝えなくて済むのであれば何もなかったかのように過ごすのがいいなと思っていました」
そこで大きな支えになったのが、家族やスタッフの存在だったと語る。
「家族はいつも“きっと大丈夫だよ!”と言って、僕を支えてくれました。もし家族に悩まれたり泣かれたりしたら、僕自身もっとシリアスになったりナーバスになって、悪い未来を想像してしまったかもしれない。スタッフなど周りの励ましてくれる人たちのおかげで、すごく気が楽になりました」
手術は無事成功し、復帰に向けリハビリを始める。あらかじめ医師と相談し、手術の1か月後のステージ復帰を目標に定めていた。
「復帰に向けて頑張れるよう、細かくスケジュールを決めていきました。手術翌日、まず点滴したまま病院内をぐるぐる歩いて回るところから始めています。そうしないと肺が自力で広がってこないそうです。先生に“無理がなければ回数を増やしてもいいですよ”と言われたので、朝昼晩回るようにして。そうしたら順調に回復し、手術後1週間弱で退院」
抜糸をした後、すぐジムにも行ってトレーニングをしていたというから驚きだ。
「痛みはまだ少しあったけれど、先生いわく、“動いてもこの傷口はもう開きません”というお話だったので。ただ飛行機や山登り、スキューバダイビングなど、気圧の変わることをするのはしばらく避けてください、と釘を刺されていて、それは守りました」