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ー 衰え知らずの“三冠王の美技”

 東京都心でも9センチの降雪量が観測された2月6日、各交通機関で遅延や運休が相次いだ一方で、雪だるまを作ったり、雪合戦をして遊んだりと久々の雪にはしゃぐ子どもの姿も見受けられた。そんな中ーー、

《博満と雪合戦してみた 雪の破片はめちゃくちゃ痛いし 服の中にも目にも入るし 怖かったです》

 自身のX(旧ツイッター)にポストしたのは声優・落合福嗣。その雪合戦の相手になった“博満”とはもちろん、現在は野球解説者、YouTuberとしても活躍する元プロ野球選手・落合博満氏だ。

「や〜い、三冠王」後ろから雪をぶつけられた落合氏は「おっ?おっ?」と振り向き、植木に積もる雪を手に取ってはスマホを構える息子に向けて投げつける。少々ヨタヨタとした歩きではあったが、スナップを効かせた雪玉に「イテッ」と悶える福嗣

 1998年に現役引退、そして中日ドラゴンズ監督、GM業を退いて以降は次第に痩せていく姿が心配され、それに伴って囁かれたのが大病説だった。動画公開された近影を見ても、やはり赤いダウンジャケットから覗いたのは現役時代と打って変わった細身の身体。

 かつて3度の三冠王を獲得した、球史に名前を刻む大打者に何が起きていたのか。その答えを2023年9月、自身のYouTubeチャンネル『落合博満のオレ流チャンネル』で淡々と明かしていた。

 撮影スタッフから、視聴者から“脳梗塞や脳卒中を心配する声がある”と伝えられると、「いや、やってませんよ」とそれらの病気を否定する同氏だったが、一方で2012年に顔面神経麻痺の一種である“ベル麻痺”を患っていたことを明かしたのだった。

衰え知らずの“三冠王の美技”

“神主打法”で雪玉トスバッティングを始める落合博満氏(落合福嗣公式Xより、一部編集部加工)
“神主打法”で雪玉トスバッティングを始める落合博満氏(落合福嗣公式Xより、一部編集部加工)

 医者によると「原因は不明」とのことで、薬による治療を努めた落合氏。現在も麻痺の影響は残っているようだが、信子夫人のサポートあってだろう、体調は「問題ありません」と力強く答えると、最後には、

みなさん、心配かけてごめんなさいね。心配してくれてありがとうございました。まぁ、でもベル麻痺は11年くらい前のことなんで、今は元気にやってます。では、みなさんまたYouTube楽しみに待っててください。ほいじゃね〜

 視聴者にメッセージを送って終えたのだった。

 自身も足繁く通う『落合博満野球記念館』(和歌山県太地町)を2023年12月にリニューアルオープンさせ、同月に70歳を迎えた落合氏だが、野球勘はまだまだ衰えしらず。冒頭の雪合戦でも、雪玉をボールにしてのトスバッティングを開始したのだが、衝撃の一部始終が収められていた。

 代名詞“神主打法”から繰り出される打球は全てバットの芯で捉えられ、撮影する福嗣に向かって寸分の狂いもなく次々と飛んでくる。飛び散った雪の破片を浴びるたびに、「アーッ!」と悲鳴をあげつつも嬉しそうな息子の姿が、父の健在ぶりを物語っていた。