『おじさん・おばさん構文』に気をつけて
「また、30代後半以降で後輩や部下などを抱える大人世代の方たちは、学生や20代くらいの若者世代に連絡をする際に、『おじさん構文』『おばさん構文』を使ってしまい、意図せず若者を萎縮させてしまうことも避けたいです」
そもそも「おじさん構文」「おばさん構文」とはどういったメッセージのことなのか。
「『おじさん構文』は、『絵文字・顔文字・記号』を多用する、『文章中にカタカナを乱用』『一度に送る文章が長く改行がある』『句読点が多い』などの特徴があり、2017年ごろ女子高生たちの間でおじさんが送りそうなメッセージをまねする『おじさんLINEごっこ』がブームに」
名前を「ちゃん・チャン」づけして呼ぶなど、下心を感じさせるおじさんっぽいメッセージが話題になったのだ。
「『おばさん構文』の特徴もおじさん構文とほぼ変わりませんが、違いは『小さいあいうえお』や『キラキラ・ハートの絵文字を多用』『あら、~だわ、~よ』など、女性らしさが加わるのが特徴です」
大人世代が頻繁にオンライン上で連絡をするようになったのは、ガラケーなどのメール。メールは文章が長いのが前提で、読みやすくするため句読点や改行は必須だった。
「また、メールでは文字ばかりが並ぶと威圧感が強い印象になり、誤解のないように絵文字をつけて楽しげにするという気遣いがありました」
対して若者世代は、最初からリアルタイムでスピーディーに連絡し合うLINEなどのチャット形式のツールを使用しており、『短文で句読点なし』『絵文字なし』が当たり前で、大人世代のメッセージに違和感を覚えるのだそう。
「最近では大人世代がメッセージの最後につける句点の『。』記号が怖いという『マルハラ』も話題に。若者はLINEに句読点を使う習慣がないため、“あえて”句点をつけて、怒っていることや冷たい態度を示そうとしているのではと、勘ぐってしまうそうなのです」
若者世代とやりとりをする際には、「。」を省略することで、相手の心理的な負担を減らせるのかもしれない。
「若者に寄せた文章、大人世代に寄せた文章、どちらが正しいということはないです。ただ、意図しない読まれ方をしないために、お互いにちょっとした気遣いをもってメッセージが送れるといいですね」