「1月に起きた大谷選手のグローブ展示騒動は、市長の市政の私物化のほんの一端にしか過ぎませんよ」
大分県別府市のとある市議会議員は、そう語る。
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が全国の小学校2万校にそれぞれ3個ずつ贈った野球用のグローブ。だが届けられたグローブは小学校ではなく、別府市役所に展示されたことで「市が取り上げて展示するなんて」と大ひんしゅくを買ったのは記憶に新しい。
自身のSNSにガラスケースに保管した大谷グローブの写真をアップして大炎上した別府市の長野恭紘(やすひろ)市長(48)は、批判を受けて謝罪。展示を急きょ切り上げ、大谷グローブは小学校に返還された。
だが、この一件にとどまらず、「長野市長には“市政の私物化”がほかにもある」と話すのは冒頭の市議会議員。市長は今年1月28日から1週間、姉妹都市であるニュージーランドのロトルア市へ海外視察に行っていたのだが、
「まず、この1年で4回目の海外視察ですからね。これほどみずから海外視察に渡航する市長はいないでしょう。5泊7日の予定ですが、そのうち公務は1日程度で、あとは観光ですからね」(同市議、以下同)
海外視察のメンバーのうち、市長、市議会議長、別府市・文化国際課長の3人の費用は、市の予算から捻出されるのだが、
「飛行機はビジネスクラスで、ホテルも高級ホテルのようですから、かなりの金額になるはず。昨年、富山県高岡市の市長が、海外視察でビジネスクラスを使用したことを市民に謝罪したこともあったぐらいなのに……。
この海外視察の金額については追及しようとしたのですが、詳細まではわからなかった。“市長派”である大物市議から横槍が入ったので」
別府市公式訪問団として、5名で約600万円支出
今回の海外視察の疑惑について、長野市長を直撃すると以下のように回答した。
「別府市公式訪問団として、費用は(5名で)約600万円を支出しています。(飛行機は)ビジネスクラス3名、エコノミークラス2名を利用し、全行程の運賃、宿泊費はパック料金となっております。活動期間中、すべて公務となっております」
1回600万円となると、この1年で約2400万円公費を注ぎ込んだことになるのだが、別府市民はこの金額をどう見るのかーー。