6位以下を見てみると、7位には宮藤官九郎脚本『あまちゃん』('13年 NHK総合ほか)がランクイン。
これも音楽もののイメージは薄いが、「ヒロインがアイドルの道を歩む過程で現代のアイドルシーンが描かれる一方で、宮藤氏の'80年代カルチャーへの目配りと昭和アイドルオマージュが結実。『潮騒のメモリー』は時代を超えた名曲として物語を彩った」(タワーレコード仙台パルコ店・平林大樹さん)と“アイドルと時代”を見事に描いた名作だった。
「今の『不適切にもほどがある!』もそうですが、宮藤官九郎作品のオリジナル楽曲って本当にクオリティーが高い。『あまちゃん』では独自のアイドル論が面白おかしく描かれ、『ふてほど』では訴えたいテーマを歌で表現。これほどドラマで音楽をうまく使っている作家さんはいないと思います」(カトリーヌさん)
流行りの音楽を聴けば自然とその時代を思い出す。音楽ほど時代性を表現するのに適したモチーフはないだろう。時代とともにその形も変化しており、これからも新しい音楽ドラマが作られていくのは間違いない。
音楽ドラマベストテン
1位 『のだめカンタービレ』 21票
'06年 フジテレビ系 出演/上野樹里
2位 『カルテット』 10票
'17年 TBS系 出演/松たか子
3位 『パリピ孔明』 9票
'23年 フジテレビ系 出演/向井理
『リバーサルオーケストラ』 9票
'23年 日本テレビ系 出演/門脇麦
5位 『エール』 7票
'20年 NHK総合ほか 出演/窪田正孝
6位 『仰げば尊し』 6票
'16年 TBS系 出演/寺尾聰
7位 『あまちゃん』 5票
'13年 NHK総合ほか 出演/能年玲奈(現・のん)
8位 『美男ですね』 4票
'11年 TBS系 出演/瀧本美織
9位 『君の花になる』 3票
'22年 TBS系 出演/本田翼
『傷だらけのラブソング』 3票
'01年 フジテレビ系 出演/高橋克典
※投票は1人最大2作品まで挙げてもらっています
取材・文/蒔田陽平