片頭痛は小学生のころからの付き合いで、ひどいときは嘔吐することも。更年期で頻度が増した今は、痛みにより3種類の薬を飲み分ける

痛くなり始めた段階で飲めば効く薬と、症状が出て何日かたってからでも効く薬、いろいろな痛みに効く鎮痛薬の3種類で、いつどんな症状で何を飲んだか頭痛ダイアリーに記録しています。それでも急に痛くなるのが怖くて、なかなか予定が入れられなくて」

サボりたいだけじゃないのって思われがち

 さらにつらいのが倦怠感だ。寝込むほどのひどいだるさでも、そのつらさがわかるのは本人だけ。周囲の理解を得にくく、ゆえに休む理由になりにくい。

もともとサボりたいタイプだったから、“だるいから今日は休ませて”って言うと、サボりたいだけじゃないのって思われがちなんですよね

 ただ夫はかなり理解がある様子。ブログには「食欲がなくても栄養がとれるものを」と、寝込む彼女のためにプロテインバーを買い込む微笑ましい写真が。

最近は夫も理解してくれていると思います。でも以前は泣きながら“仮病じゃないんだよ”って何回も訴えたことがありました。娘はまだ小さいのでよくわかってなくて、“ママまたねんねするの?”なんて言われちゃいます

 出産は43歳のときで、娘は3歳のやんちゃ盛り。更年期を迎えた今、高齢出産での育児に思うところがある。

若いうちに産んだほうがいいという考えって、今の時代にそぐわないし、私も昔は反発する気持ちがありました。でも実際高齢で産んで、体力に関してはもう認めざるを得ない。更年期の症状を持ちながら子育ては確かに大変

 不調は常につきまとい、時に薬に頼りつつ、主婦として家事育児をこなしては、なんとか日々をやり過ごす。

昔はおしゃれして遊んでいたいタイプだったはずなのに、あのころの私はどこに行っちゃったんだろうって(笑)

 20代のころは公私共に華やかだった。当時を振り返る。

「あのころは毎晩でも遊べていました。仕事が終わって夜家に帰っても、誘われたら平気でまた出かけていた。でも今は全然そういう気持ちにならなくて……。昔YMOの高橋幸宏さんが、“体調のいい日なんて年に2~3日”とよく言っていたんです。まだ若かった私は“大げさな”と思ってたけど、今は本当にそうだなって実感しています

 では、その年に2~3日の体調の良い日にすることは?

この前はベッドのマットレスを乾燥させるために裏返しました。元気がないとできないし、年3日ならちょうどいいです(笑)

 近年はテレビの露出も減ったが、これも更年期と少なからず関係があるという。

「今はテレビは無理ですね。眩しい光は片頭痛の引き金になりがちで、照明に照らされると思うだけで冷や汗が出ちゃう。あと更年期になったらシミが一気に増えちゃって。最近のテレビは画質が良すぎて、隠そうにも隠し切れない。だから絶対に嫌(笑)

 本格的に更年期障害が始まって1年あまり。更年期の期間は閉経を挟んだ前後5年の平均計10年といわれ、

あと8年もあると思うと……。でもなんとか付き合っていくしかないですよね。これをしたら治るなんて劇的なことはないから

 と覚悟を口にする。目下の課題は、いかに前向きに更年期を乗り越えるか。

みんなで集まってヨガの講師を呼んだり、愚痴を言い合えたりするような、更年期の人が集まるサークルをつくれたらと考えていて。入院したとき“私も更年期でつらいんです、でもつらいって言えないんです”という声をブログにたくさんいただきました。私自身そこで自分だけじゃないんだって思えたし、だから1人じゃないよって伝えたいし、話し合える仲間が欲しい。

 コメントの中には“60代になり更年期を乗り越えた今は、小学生のころくらい絶好調です!”という声もあり、すごく励まされました。小学生のころって、いつも駆け回ってたじゃないですか。あんなに元気が出るんだと思うと、ちょっと前向きになれる。みんなと愚痴を言い合いながら、そのときが来るのを待ちたいですね(笑)」

取材・文/小野寺悦子

うえはら・さくら 1977年生まれ、東京都出身。ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞し芸能界へ。ドラマ『ナースのお仕事 2』、映画『デスノート the Last name』など多数の作品に出演。バラエティー番組でも活躍し、人気を博す。’19年には東海大学を卒業、’20年に第1子出産