目次
Page 1
Page 2
Page 3
Page 4
「お金が欲しい」「もっと増やしたい」──誰もがそう願うもの。何らかの手立てを知りたいが、「仏教」にその術を求める人は少ないだろう。
仏教から教わる「お金の考え方」
「少し意外かもしれませんが、仏教では在家者に対し、財産の作り方についても詳しく指南しています。普遍的な人間の不安や苦しみに向き合い、解決してきた『智慧』が受け継がれています」
こう話すのは、愛知県にある佛心宗大叢山福厳寺住職、大愚元勝和尚。僧侶、事業家、作家、講演家、セラピストとさまざまな顔を持ち、YouTubeでも情報発信。「僧にあらず俗にあらず」を体現する、異色の人物だ。
「仏教の経典のひとつに『シンガーラ経』というものがあります。そこでお釈迦様は大富豪の息子であるシンガーラに、財産の作り方について説いています。
教えの基本は、自分の収入を4分割にして使うこと。
1つ目は生活費、2つ目は貯蓄、3つ目は欲しいもの、好きなことに使う“今”への投資、4つ目に勉強をする、新たな技術を身につけるための“将来”への投資をすることをすすめています」(大愚和尚、以下同)
一般にも、貯金に回す割合は2~3割が理想とされてはいるものの、生活費の割合に驚いた人は多いはず。
「例えば1か月に20万円の収入があったとします。その20万円を4分割すると5万円ずつに振り分けられます。
“今どきその額で生活できるわけがない”と思う人もいるでしょう。けれども大切なことは、“5万円では生活できない”と決めつけるのではなく、“どうしたら5万円で生活できるか”を考え、工夫することが大切なのです」