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5年前に夫婦ふたり暮らしを始めた主婦の小暮涼子さん。夫の退職を機に59歳で夫婦だけの暮らしをスタートさせた。
「いずれふたりになるのはわかっていました。3人の子どもたちにはいずれはこの家を出て自立しなさいと言い渡していましたから」
夫との距離はゆるく、無理なく
夫が退職したあと、小暮さんも17年間、パートしていた洋服屋さんを退職した。
「夫はまったく家事をしない人。だから私だけ仕事して、家事してって、ちょっと不公平かなあと、あわてて辞めちゃったの」と笑う。
「最初は退職したらごはん作りを交代でやると夫が言っていましたが、どうやら幻だったみたい。でも、朝・昼はお互いテーブルにつく時間が違うので各自で食べることにしたのですが、これが大正解。
夕飯も、夫が晩酌をしなくなったのでわりと簡単。主婦としての仕事量は前より減りましたね」
夫の前言撤回に、ことさら怒るふうでもない小暮さん。別のお宅なら不仲の火種になりそうなものだが……。
「だってそういう人だって私がいちばん知ってますから。言っても変わらないと。その代わり、夕飯の片付けはふたりで。キッチンに並んで、私が食器を洗って夫がすすぐ係。早くひとり立ちしてほしいんですけどね(笑)」
正論を押しつけない代わりに、自分も無理はしない。5年の歳月を経て行きついたバランスだ。
「うちは、なんでもふたりでってことはなくて。ごはんも夜だけで日中もほぼ別行動。趣味も生活スタイルも違うから無理はしない。一緒に出かけるのも週に1回くらい。
リビングでも別のことをしながら、それぞれのソファに並んで座ってる。でも、それが仲良くいられる秘訣だと思います」
最初からやりすぎない、寄りかからないのが、いい距離感を生み出すようだ。