見分け方1:定期訪問時の滞在時間を要確認
在宅医療は一人の医師に診てもらうのが理想だが、少なくとも同じ医療機関の医師が訪問できることが望ましい。
「何人もの医師が代わるがわる訪問するようでは患者の経緯をふまえた診療は難しいでしょう。同じ医療機関の医師でも情報が共有できているかどうか、確認したほうがいいと思います。
また、十分な診療時間の確保も重要。1回の訪問時間を10分と短く設定するところもあります。時間を短くして患者数を増やせば利益は上がるでしょうが、治療を行ったら、しばらく様子を見る必要もあります。
状況によりますが、30分以上は診てほしいもの。あまり短く設定されるようなところは問題ありです」
ひとつの目安としては、駅前などに大きな看板を掲げるなど宣伝が派手なところは、患者数を増やしたい姿勢の表れなので要注意だとか。
「実際に、私が信頼する訪問医は、臨時往診などに備えて患者数を絞り込んでいるので、大々的に宣伝していないところがほとんどです」
見分け方(2):夜間や休日の対応を具体的に聞く
具合が悪くなったときなどの臨時の往診については特にしっかり確認しておきたい。24時間対応と宣伝していても体制が整っていないところもあり、「対応できないから119番してください」と言われてしまうことも。
そのまま病院で望まない延命治療につながってしまうおそれもある。果ては「休日はゴルフに行くから呼ばないで」などと言う医師もいるとか。
特に大切なのが夜間対応。夜はコールセンターにつながり、そこに登録されたアルバイトの医師が派遣されてくるところも少なくないのだ。
「問題なのは、症状に対処できる医師が来るとは限らないことです。急な腹痛で連絡したのに整形外科医が来て、対応できなかったなどという話も聞きます。夜間は患者さんもコールを遠慮しがちで、連絡するときはよっぽどの事態。
そんなときに安心できないようでは在宅医療の意味がありません。このようなことはホームページを見ても、また先方の説明だけではわからないことが多い。
医師と契約をする前に、患者の状況を伝えたり、医療体制について説明を受ける機会があるはずですから、その際に『夜間もふだん診ている先生に来てもらえますか』などと聞くといいでしょう」