おすすめはケアマネや訪問看護師の紹介
とはいえ、在宅医をインターネットなどで探すと多くの医療機関がヒットしてしまい、どこからあたればよいか迷ってしまうもの。小野沢先生は、最もおすすめなのは、「ケアマネジャーや訪問看護師から紹介してもらうこと」だとアドバイスする。
「訪問診療の現場をよく知っている地域のケアマネや訪問看護師がすすめる在宅医なら信頼できます。私の経験ではよいケアマネジャーとよい訪問看護師、在宅医はつながっていることが多い。
まず地域包括支援センターと口コミなどでケアマネジャーを見つけて、訪問看護師→在宅医と紹介してもらうのが、よい在宅医への近道です」
小野沢先生は、大学の医学部在籍中に在宅医療の道に進もうと決心。卒業後は総合病院の在宅医療部門で研鑽(けんさん)を積み、以来40年近く、一貫して在宅医療に携わってきた。
「近年、在宅医療に参入する医師や事業者が増えてきました。その中で緊急の課題となっているのが、在宅医の質の向上です。現状では在宅医療を行うために資格や研修制度などの条件はなく、看板を掲げれば開業できてしまう。
その一方で利用者側は在宅医療が必要になるようなことは人生に何度もあることではなく、わからないことだらけ。だからこそ人生のかけがえのない時間をよりよく過ごすために、予備知識を持って在宅医を見極めていただきたいと思います」
【こんな在宅医に注意!】
・夜間はコールセンターからアルバイト医師を派遣
・大きな看板広告など宣伝活動に熱心
【これが正解!】
・ケアマネや訪問看護師に在宅医を紹介してもらう
・緩和ケアや終末期医療に実績がある医師を選ぶ
教えてくれたのは……小野沢 滋先生●東京慈恵会医科大学卒業以来、一貫して在宅医療をライフワークとし、高齢者医療や、がんなどの緩和医療に尽力。2016年、みその生活支援クリニック開設
取材・文/志賀桂子