ただし、脳動脈瘤(りゅう)がある場合は話が違う。
「脳に動脈瘤があって血圧が高い人は、動脈瘤が破裂して、くも膜下出血を起こす危険があります。血圧を高めで維持したい人は脳ドックを受けて調べておくことをおすすめします」
コレステロールが心身の活力を生む
中高年女性が健康診断でひっかかりやすいコレステロール値。そもそも、女性は閉経すると女性ホルモンの分泌が低下するため、コレステロール値が高くなりやすい。
「日本の健康診断でのコレステロールの基準値は男女差による違いはあまり考慮されていません。そのため閉経後の女性は、健康診断の数値が少し高い程度でも脂質異常症と診断され、薬が処方されているケースをよく見かけます。
しかし、その程度の女性に薬を処方しているのは日本くらい。欧米では女性に薬は不要と考えられています」
コレステロールは身体に悪いという印象が強いが、本来は人間の身体にとって必要なもの。筋肉、血管、肌など、多くの細胞にコレステロールが使われている。コレステロールが少ない高齢者は、髪がパサつき、肌もカサカサになりやすい。
また、体内で傷ついた血管の修復や、筋肉痛の際に壊れた細胞を再生させるときにもコレステロールが使われている。
コレステロールが多く含まれているからと卵などを控える人がいるが、食事でとってもたいしてコレステロール値は変わらないことがわかっている。
高齢になると体内のコレステロールの多くは身体を維持する働きに使われるので、数値が少し高いくらいなら元気で長生きするためにコレステロールを含む食品を積極的にとるべきだという。
コレステロールは身体にとって大事!
卵、いか、うなぎ、子持ちししゃもなどにはコレステロールが多く含まれている。コレステロールは細胞膜をつくるなど大事な栄養素なので、60歳をすぎたら気にしすぎないほうがいい