実は気にしなくていい数値
【高血圧】
基準範囲は収縮期血圧(上の血圧)120mmHg未満/拡張期血圧(下の血圧)80mmHg未満。上が130台を超えると要注意、さらに140mmHg/90mmHg以上になると高血圧と診断されるが、高齢者は150台でもそれほど気にしなくてよい。
【高血糖】
健康診断の空腹時血糖値は99mg/dl以下が基準値。126mg/dl以上の場合、糖尿病予備軍や糖尿病の可能性が高い。高すぎる場合は薬を使って血糖値をコントロールする必要があるが、基準値より少し高め程度であれば心配はない。
【高コレステロール】
LDL(悪玉)コレステロールの基準値は120mg/dl未満。140以上の場合は脂質異常症と診断される。下げる薬が処方されることがあるが、高齢者はコレステロールが低いほうがフレイルのリスクが高くなるので服用してまで下げる必要はないという。
実は要注意な数値
【低BMI】
BMIは身長と体重から算出される肥満度の指標。18.5〜24.9は正常範囲、18.5未満または25以上の場合は要再検査や生活改善を指導される。高齢者は18.5未満のやせ型を指摘されている場合は要注意。少しでも体重を増やすよう、糖質や脂質を積極的にとったほうがよい。
【低アルブミン】
全身の栄養状態の指標となる数値。基準値は3.9g/dl以上で、低い場合は栄養不足が疑われる。食事量が減りやすい高齢者は、低栄養状態になりやすいので注意が必要。自覚症状を感じにくいので、健康診断にこの項目があれば必ずチェックしておきたい。
教えてくれたのは……和田秀樹医師●東京大学医学部卒業。「和田秀樹こころと体のクリニック」院長。近著に『60歳すぎたら血圧は下げなくていい』(永岡書店)、『「健康常識」という大嘘』(宝島社)。
取材・文/保田真代