南谷さんの子どもは1年間の不登校の末、学校に復帰した。このときの経験を生かして、南谷さんは数秘術の勉強をして、占い師としても活動するようになったという。
「不登校が解消するきっかけはさまざまですし、明確な答えはありません。だからこそ親御さん自身にも希望や生きる力を感じてもらい、時間をかけて忍耐強くお子さんに接していただくことも大事だと思っています」(南谷さん)
もちろん公的な場では、占いではなく、悩みをしっかり聞いて、不登校が解消した事例を伝えたり、子どもが自分で選択することを待つ姿勢を促している。
世間では子どもが不登校から抜け出した“成功談”が多く語られているが、その方法を押しつけてくる人には要注意だ。
「どの家庭も個別な事情があるので、学校を変えるとか、田舎暮らしをするといった方法ですぐに解決する問題ではありません。『うちの子は不登校から抜け出せて偉い』と自慢話になっている人もいますが、不登校解消がゴールではないはず。子どもが学びと成長の機会を持ち、自分らしい人生を歩んでいくための手助けをするのが親や社会の役目だと思います」(南谷さん)
再登校率は90%以上の画期的なプログラムが登場
不登校への対応は行政でも行われており、フリースクールとの連携もそのひとつだ。しかし民間のフリースクールはお金がかかるので、経済的な余裕がないと通わせることができない。
「自治体では適応指導教室による無料サポートを実施していますが、基本的には学校とシステムは同じで、転地療養のような場所となっています。それが不登校解消の抜本的な解決になるのかは疑問で、行政もまだ手探りの状態です」(南谷さん)
一方、不登校児童生徒を3週間で再登校に導くプログラムを提供している会社がある。不登校支援事業を手がける株式会社スダチは、2020年7月から現在までで約800人を再登校に導き、再登校率は90%以上を誇る。どういうプログラムを用意しているのか、代表の小川涼太郎さんに聞いた。
「親御さんにお子さんへの接し方を学んでいただき、弊社サポーターのオンラインでのアドバイスのもと、お子さんの自己肯定感を高めていただくプログラムです。お子さんとご家庭の状況をしっかりとヒアリングしたうえで、それぞれの状況に合わせたプログラムを作成させていただいております」(小川さん、以下同)