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ー 小林製薬“紅麹”が招く巨額賠償
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ー 巨額の賠償責任と刑事罰の可能性も

 “あってはならない”事件が起きてしまった。

「3月22日、医薬品などの大手メーカー『小林製薬』は、製造・販売した紅麹を含むサプリメントが腎機能に異常を生じさせ、死亡事例を含む健康被害を引き起こす可能性があると発表。近年、まれに見る社会問題に発展しています」(全国紙記者、以下同)

小林製薬“紅麹”が招く巨額賠償

 小林製薬は、1886年に創業した『小林盛大堂』をルーツに持つ老舗企業。『熱さまシート』や『アンメルツ』など、数々のロングセラー商品を販売していることでも知られている。

「問題となった紅麹成分が含まれている『紅麹コレステヘルプ』『ナイシヘルプ+コレステロール』『ナットウキナーゼ さらさら粒GOLD』の3つの商品を回収すると発表。小林製薬のホームページには、いずれの商品も紅麹に含まれる成分がLDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールを下げる効果があるとうたっていました」

 '21年4月から日本全国で販売された『紅麹コレステヘルプ』は、すでに約100万個の売り上げがあったというが。

「今年に入ってから、複数の医師から小林製薬の紅麹成分が入った製品の利用者が健康被害に遭っている可能性があると、同社に報告されていたようです。

 小林製薬が調査したところ、3月16日には、製造した紅麹の一部に健康被害につながる“想定外の成分”が入っている可能性を認識するに至ったと発表しています」

 2回目の会見が行われた3月29日時点では、小林製薬の紅麹が原因と疑われる死者は70代から90代の男女5人。入院患者は114人、体調不良を訴えての通院や通院希望者は680人に上ることがわかった。

「サプリを購入した人以外にも不安は広がっています。小林製薬が製造した紅麹は、着色や風味づけにも利用され、食品メーカーや卸売業者も含む173事業者に原料が供給されていました。

 そのため“小林製薬の紅麹を使用している”として、ファミリーマートや生協連のコープが一部商品を自主回収すると発表しました」

 日常生活を脅かす事件となったが、真相解明には時間がかかりそうだ。

「検査では、問題となった商品から毒性のある『プベルル酸』という物質が検出されたと発表されましたが断定には至らず。紅麹自体に問題があるのか、小林製薬の製造過程に問題があるのか、わかっていません。

 紅麹は小林製薬以外の会社も製造や販売をしていますから、臆測の域を出ないSNS上での発言も懸念されています」