便秘の放置は危険!命に関わるリスクも

 では便秘は身体にどんな悪影響があるのか。

「便通が悪いと悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなるので、がんや他の病気にも罹りやすくなります。心臓や脳、腎臓の病気、大腸がんのリスクも上がるので要注意です」

 たとえ大きな病気を発症しなくても、便秘放置の行く末には負の連鎖が待ち構える。

「QOL(生活の質)の低下です。膨満感や腹痛などの不快な症状があれば生活の質が落ちますし、やがて家から出なくなり、うつ症状にもなりかねません。

 50代以降、さらに年を重ねていったときに排便をコントロールできていないと、あらゆるリスクが高まります。たかが便秘とはいえないのです」

 正しい排便のための第一歩として、藤森先生がおすすめするのは、排便日誌。

「便形状チェックを参考に、形、色、量を見て毎日記入します。食事や水分、下剤使用も記入するといいでしょう。

 記録して自分の排便状態を把握することで、自分に適した食べ物や、正しい排便ペースもわかってきます。ネットなどでダウンロードできますので、ぜひ始めてほしいですね」

 定期的な検診も必須だ。

「症状がないから大丈夫、ではなく、症状がない段階で、目に見えない変化を発見できるからこそ意味があるんです。定期的に検診を受けていれば、大腸がんに命を奪われることはまずありません。特に50歳以降の方は、必ず検診を受けましょう」