【Q2】サプリの服用はやめるべき?
とはいえ、消費者の心配は尽きない。健康食品を製造販売する企業などを取材する業界紙の記者は、現状をこう明かす。
「紅麹を使用していないサプリメントでも、定期購入のキャンセルが相次いでいます。企業には“大丈夫なのか”との問い合わせが殺到し、混乱に陥っている。店頭での販売も落ち込むでしょうし、業界としては大打撃です」
このように、サプリメントの服用を中止した人も多いはず。しかし、前出の柴田医師は、こう話す。
「本来含まれる予定でなかった成分の混入が問題ならば、サプリメント全体に今回のようなことが起こりえる可能性は確かにある。そのための安全性を担保する制度設計は必要だと思います。
だからといってサプリメントの服用を多くの人がやめてしまうことに、医師として危機感を覚えています」(柴田医師、以下同)
それはなぜか。
「多くの人がサプリメントによる自己管理をしなくなることで、毎年増え続けている医療費が追いつかなくなり、私たちが支払う社会保険料もさらに高くなっていく。だからこそ、日々の健康管理はご自身で気をつけていただく必要があると思っています。サプリメントは、その健康管理を助けるひとつの手段となるものです」
ただ、サプリメントの服用には、注意点もあるという。
「先にも話しましたが、例えばコレステロールを下げる薬に使われている成分は、紅麹にも含まれています。つまり、飲んでいる薬とサプリメントで、重複する成分を摂取すると内臓に悪影響が出る場合があるんです。これ以外にも、薬に入っている成分とサプリメントの成分の飲み合わせが悪い場合もあるんです。
そのため、かかりつけのお医者さんがいる場合には、どんなサプリメントを飲んでいるのか伝えて相談してください。今回の問題が起きたことで、患者さんがどのようなサプリメントを飲んでいるか聞くべきだと思った医師も多いはずです」