【Q4】プベルル酸ってそもそも何なの?
小林製薬が自社工場で'23年中に製造した原料の一部から、本来では含まれるはずのない成分『プベルル酸』が見つかっている。
「このプベルル酸は、'23年9月以降に製造された原料に特に多く含まれていたそうです。小林製薬が調査したところでは、'23年9月以降に製造・販売された商品に健康被害の訴えが集中しているとのことです。しかし、このプベルル酸が悪影響を及ぼしたのか、その因果関係はわかっていません」(同・業界紙記者)
そもそも、このプベルル酸とは、何なのか?
「青カビが作り出す天然の化合物なのですが、実際のところよくわかっていないんです……」
そう話すのは、前出の柴田医師。どうしてか?
「私もプベルル酸という名前を聞いて、世界中の医学論文を閲覧できる専門サイトで調べたのですが、該当する論文は5~6件だけでした。通常メジャーな成分であれば、数千、数万件の論文が出てくるのですが……。それぐらいマイナーな物質なんです。おそらく今回の問題が起こるまでプベルル酸という名前を知っていた医療関係者は、ほとんどいないはずです」
とはいえ、かなりの劇毒成分なはず……と思いきや、
「感染症のマラリアを治療するための候補に挙がった物質のひとつで、毒性は比較的、強い部類に入ります。しかし、人が飲むために作る薬の成分ですから、毒性としては中程度。劇毒というほどではないんです。さらに、腎臓の障害を引き起こすかどうかもわかっていません。これから検証されていくはずですが、時間がかかると思います」(同・柴田医師)