知名度と親近感と言えば、オンナ芸人に勝る人たちはいないでしょう。そのせいか、彼女たちの活躍はめざましいものがあります。「多芸は無芸」ということわざがありますが、今はむしろ逆で今、お笑いコンビ・Aマッソの加納愛子は中京テレビのドラマ「スナック女子にハイボールを」を担当、三人のお子さんを持つ横澤夏子はママ特化型バラエティ「夫が寝た後に」(テレビ朝日系)のMC、3時のヒロイン・福田麻貴はドラマ「婚活千本ノック」(フジテレビ系)の主役と、お笑いの枠を超えて自由に活躍しています。
プライベートのあり方も多様化しています。かつてはオンナ芸人はモテないで笑いを取っていましたが、女芸人No.1決定戦 THE Wの七代目王者に輝いた熊本プロレス・紅しょうがは「八方・今田の楽屋ニュース2023」(朝日放送テレビ)でホストクラブ通いを公言していますし、その相方、稲田美紀は2023年12月28日放送の「おかべろ」(関西テレビ)で、「俳優さんと結婚するんです」「そのために東京に来たんです」と積極的な姿勢を見せています。テレビではホストや俳優さんとの婚活の話はしづらいかもしれませんが、そういうヤバい話はYouTubeで話せばよい。これからの芸能界は、二刀流が基本になるのかもしれません。
誠子は“女性誌の中の人になりたい”タイプ
なので、誠子も誰もやったことのないお笑いを見つけてテレビに出ながら、ていねいな暮らしをYouTubeで配信したほうがいいような気がしてしまうのですが、その一方で、お笑いがやりにくいだろうなとも思うのです。
誠子がテレビに出だしたころは、まだ見た目いじりがウケることから、誠子がいいオンナふうな発言をし、渚がつっこむという勘違いブスのネタをよくやっていたと記憶しています。ブスという言葉を自称する人には二種類いて、男性からの評価が自分の価値だと思いこんでしまっている人と、自分の美意識に現実がおいついていかない(なので、他人から見てブスでなくても、本人は頑なにそう思いこんでいる)人がいるのではないでしょうか。前者が「ちょうどいいブス」(主婦の友社)で大炎上した相席スタート・山崎ケイで、後者が誠子なのだと思います。2017年放送の「ノンストップ」(フジテレビ系)によると、誠子は東京進出を機に、芸能人の聖地・中目黒に住み、浜崎あゆみと同じ美容院に通うなど、キラキラ女子的な生活を始めます。今のていねいな暮らしもそうですが、誠子はどちらかというと、女性ウケしたい、女性誌の中の人になりたいタイプなのだと思います。