ほかには、押し入れなどの大きな収納も手始めにおすすめ。1年以上まったく使っていないモノ、あったことすら忘れていた季節用品など、不要だと判断しやすいものがあふれているので捨てやすい。
「整理することで空きスペースが生まれ、リビングなどの住空間にはみ出していた“今必要なもの”がきちんとしまえるようになります」
逆に、キッチンやリビングなど、モノが持ち込まれやすい場所から始めると、一時的にキレイになってもすぐにリバウンドしがち。まずは散らかっているモノの定位置を決められるよう、場所を空けることが肝心だ。
「モノが少ないと、誤って同じものを買ってしまうことも減るので、経済的にもメリットを感じています」
思い出の“あのころ”より今を大事に!
そうはいっても、いざ捨てるとなると“もったいない”“思い出は捨てられない”という気持ちが湧きがち。
「その気持ちはわかります。でも、使うかもしれない“いつか”やそれを買ったりもらったりした“あの時”より、今の暮らしの充実を優先したほうがよいと思いませんか?たとえ手放しても、そこに詰まっていた思い出までがなくなるわけではありません。
“終活”もそう。人生の最期に向けてモノを減らしていく悲しい作業ではなく、今の一番若い時間をより快適に過ごすための前向きな整頓と捉え、思い立ったら積極的に始めるのがいいなと思っています」
さらに、モノが少ないと片付けのハードルも下がるので、キレイな状態を維持しやすい。年齢を重ねたとき、生活上の安全面でも利点に。
「なにより、掃除など家事の手間が減って自分の時間が増えたことが大きな喜びです。好きなことができる時間が生まれると、気持ちに余裕ができ、自己肯定感もアップ。モノから解放された今の生活は、本当に幸せです」
お話を伺ったのは……Nozomiさん●夫と子ども2人の4人暮らし。子育てをしながらも“モノも家事も最低限”にした生活がSNSで注目を集める。Instagram、YouTubeチャンネル「ミニマリスト Nozomi」ほか、Voicy、ブログでミニマルな暮らしぶりを発信。初の著書『ものも家事も最低限。子どもとミニマルに暮らす』(集英社クリエイティブ)が4月26日に発売。Instagram:[@nozominimam]
取材・文/河端直子