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ー 《通信教育は孤独な戦い》
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ー 聖子という星は複雑な多面体

 スターの役目は、大衆を驚かせることだ。それを続けられるかどうかで、スター性が決まる。その点、松田聖子ほど、この役目に忠実な人はいない。今回は「勉学」という意外なところで驚かせてくれた。

《通信教育は孤独な戦い》

 中央大学法学部の通信教育課程を卒業。『弁護士JPニュース』では、同じ大学の先輩にあたる弁護士が、

《通信教育は孤独な戦いです。1人でレポートを1枚1枚コツコツ作成していく。勉強していることが好きじゃないとなかなか続かない》

 と、コメントしていた。

 もっとも、聖子はデビュー前、中学の教師から「まず無理」と言われた高校に、猛勉強して合格している。歌手デビューも、父親の猛反対を半年以上かけて説得し、実現にこぎつけた。何事も狙いを定めたら必ずものにする、というのが彼女の生き方だ。

 そんな「らしさ」が大いに発揮されてきたのが恋愛だろう。高校時代、友人の前で、芸能界に入って郷ひろみと結婚すると宣言したという話も伝わっていて、実際、結婚目前までいった。その郷との破局を涙ながらに明かした1か月半後には、神田正輝との交際を笑顔で告白。翌月には、神田にとっての「ボス」石原裕次郎がふたりの婚約を勝手に公表してしまう。

 投資ジャーナル事件で騒がれていた倉田まり子からメディアの関心をそらす目的だったともされるが、これを機に神田をビッグにできるという計算も働いていたという。裕次郎もまた、大衆を驚かせるのがスターだと知っていたわけだ。

 なお、聖子や裕次郎に共通するのは「見る前に飛べ」的な感覚である。特に聖子には、興味を持ったものにどんどん飛びついていくところがあり、それが「恋多き女」という評価にも、時にはバッシングにもつながってきた。