トランプ氏再選で日米関係はどうなる?

 では実際のところ、“もしトラ”が起こる確率はどの程度なのだろう。

「70~80%だと僕は思っています。今の時点では世論調査でもトランプさんが優勢ですが、あと半年あるわけですからまだまだ何が起こるかわかりません」

 “トランプリスク”については日本国内でもさまざまな意見があるが、須田さんとしてもやはり「トランプさんよりバイデン大統領が再選したほうが、日本にとっては都合がよさそう」との考えだ。

「4月の岸田文雄首相の訪米が国賓扱いだったことからも、バイデン大統領は日本との関係性をある程度、重要視していることがよくわかります」

 一方、トランプ前大統領は、かつて安倍晋三元首相と蜜月関係だった。しかし安倍氏亡き今、再選後に日本にどのような対応をしかけてくるかまったく予測がつかない。

「アメリカ第一主義を訴えるトランプさんは、自国以外がどうなろうが知ったこっちゃない。日米関係が冷え込む可能性は十分ありますが、逆に劇的に改善する可能性もないことはない。いずれにしても日本にとって先々の見通しを立てやすいのは、トランプさんよりバイデン大統領であることは確かでしょう」

 強大な力と勢いをもって返り咲こうとしているトランプ氏。物価高、株価暴落、増税とありとあらゆるリスクを想定し、来たるべき“トランプ2・0”に備えるしかない。

須田慎一郎 経済誌記者を経てフリー・ジャーナリストに。『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)への出演など多方面で活躍。著書に『一億総下流社会』(MdN新書)など多数

<取材・文/植木淳子>