米大リーグ・大谷翔平選手の通訳を務めていながら、違法賭博で借金地獄に身を落とした水原一平容疑者。銀行詐欺容疑で訴追を受けるなど、連日その名前が取り沙汰されている。一方ネット上では、水原容疑者の父親まで担ぎ出すメディアに苦言を呈する声も目立つ。
家族も被害者だっていう認識、持ってる?
たとえばYouTubeでは、あるユーザーが「水原一平の父も完全に人生終了」というクレジットをつけたショート動画を公開。水原容疑者の違法賭博発覚以降、カリフォルニアで料理人を務める英政さんが出勤していないことや自宅に監視カメラが設置されたこと、玄関ではなく裏手のガレージから出入りしている状況などを伝えている。おそらく報道された情報をまとめたものと思われるが、視聴者からは
《親は関係ないでしょう。何様のつもりなんだ》
《一般人を晒したり人の人生を勝手に終了と決めつけるのは非人道的だと思う》
《家族も被害者だっていう認識ちゃんと持ってる?》
といったコメントが続出する事態となった。
「水原容疑者をめぐる報道では、複数のメディアが容疑者の周辺人物についても取材をおこなっています。大谷というスーパースターの相棒だっただけに注目度が高いとはいえ、親族に直撃する報道姿勢は賛同されていません。3月21日に『FNNプライムオンライン』は、英政さんが今回の事件に対して《知らないよ、俺は》と返答したと報じたところ、《親に直撃するのやめなよ》《未成年でもないのになんで親のところに行くんだ?》といった批判が相次ぎました」(スポーツ誌ライター)
確かに水原容疑者の犯罪を家族が知っていたなら、糾弾を受けても仕方のないところだろう。しかし今回は、ギャンブル依存症にまで陥ったとされる水原容疑者本人の問題。批判を浴びたショート動画のように、事情を知らない第三者が“人生終了”のレッテルを貼ることは無関係の人間を追いつめかねない。
「子の犯罪で親族が注目を集めるのは芸能界でもよくあること。とくに親族が有名人であればなおさらで、それぞれ性犯罪と覚せい剤使用で息子が逮捕された高畑淳子さんや三田佳子さんの名前が大きく扱われたことを覚えている人も多いでしょう。そのような報道も目立つ中で、往年の人気俳優・上原謙さんの子である加山雄三さんが、トークショーの中で《(大人になった子の犯罪に)親は関係ない》と明言したこともありました」(芸能ジャーナリスト)
ひとたび有名人の絡んだ事件が起きれば、メディア・個人含めて加熱する報道合戦。コンプライアンスが求められる時代において、今後どのように変化していくのだろうか。