5月6日(日本時間)にドジャースタジアムで行われたアトランタ・ブレーブス戦で、真美子夫人と愛犬・デコピンが見守る前で4打数4安打3打点の大活躍。ホームランも4年連続の二桁に乗せた、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平。
中心選手の1人として「1000億円」契約に恥じないプレーを見せているが、彼の活躍に比例して過熱しているのが、日本からやってきたテレビ局や新聞社をはじめとするスポーツメディアによる取材攻勢だ。
朝起きてテレビをつければ各局の番組が大谷一色で、前日の試合での全打席を振り返り、本人やデーブ・ロバーツ監督、またチームメイトによる“大谷評”を繰り返して放送。もちろん、大谷ファンにとってはありがたい構成。
ところが、ネット上で“大谷ハラスメント”なる言葉も生まれたように、メジャーリーグや野球に関心がない視聴者にしてみれば「毎日、毎日、大谷ばかり」とウンザリされているのも現実。
そんなメディアによる“ハラスメント”は現地、大谷の味方であるドジャースのチームメイトにも降りかかってーー。
【I know. every day……every day.(あぁ、知ってるよ。毎日、毎日だよ)】
ドジャースタジアムのベンチでインタビューに応じる、少々ウンザリした様子のブルーのアンダーシャツを着た小柄な選手。2018年のア・リーグMVPで、今シーズンは不動の「1番・ショート」としてチームを牽引するムーキー・ベッツだ。
アメリカで有名な野球インフルエンサー『bat boys baseball』が投稿した、インスタグラムの動画で「日本のメディアが多くきている」ことを聞かれての返答だった。続けて「(日本メディアから)大谷とプレーすること、大谷のことはどれくらい聞かれるか」と質問されると、
もうショウヘイのコメントはしないよ
【最初はもう、結構毎日だったよ。そのうちにコメントをするのをやめたんだ。もしも誰かにショウヘイのことを聞かれたとしても、コメントはしないよ】
当初こそ、サービスの一環として受け答えをしていたのだろう。ところが毎日、何度も「オータニ、オータニ」と聞かれることに辟易したのか、コメントをすることをやめたベッツ。その理由として、
【だって、みんな彼を見ているだろう? 世界中の他の人と違って、僕だけ違って見えるなんてことは何もないんだよ。“オーマイガッシュ! ショウヘイ・オオタニだよ!”なんて思うことはないし、“ただ(いつもの)ショウヘイだ”と思うだけだからね】
まるで大谷だけを「スペシャルな存在」として扱う日本メディアとは違い、他のチームメイトと隔てなく普通に接していることを明かすのだった。
大谷とは開幕から1、2番で並び、ナ・リーグ西地区の首位を直走るドジャースに貢献するベッツ。“チームへの貢献”“チームプレー”を信条とする彼にとって、毎日、大谷だけに固執する日本メディアには呆れ返るどころか、異常にすら思えているのかもしれない。