お酒をやめて健康を回復し楽曲にも変化が
関口と一緒に動画番組を配信しているシンガー・ソングライターの八木愛介は、そんな関口の変化を感じていた。
「誠人さんはとても繊細で、人間の感覚以上の感覚を持っているような方です。これまでは張り詰めたような鋭い歌詞の曲が多かったと思うんです。でも最近配信された新しい曲はニュートラルな感じで、ゆったりした世界観で、少し心情が変わったのかなという印象を受けました。
人生に対して達観された感じ、俯瞰している感じが出ていて、何かふっきれたような、肩の力が抜けたような。ご自身が病気をされたり、笠さんが亡くなられたこともターニングポイントになっているのかもしれませんね。誠人さんと初めて会ったのは7~8年前ですが、当時は浴びるようにお酒を飲んでいました。今はお酒もやめられて、一番元気に見えます」
八木は関口が普段から幅広い音楽をチェックしていることにも驚くという。
「10代に人気の音楽もよくご存じで、僕に教えてくれるんです。アンテナを常に敏感に張っていらっしゃる方だなあと。年齢とともになかなか新しい音楽に追いつけなくなっていくと思うのですが、60歳を過ぎてそれができるのは本当にすごいと思います」
中学生のころからC-C-Bの関口のファンだったという八木は、関口の楽曲の魅力を次のように語る。
「誠人さんの曲を聴くと、毎回、一つの小説とか映画とかドラマを見ているような感覚に陥るんです。小説も書かれていたので、ビジョンみたいなものが誠人さんの中で見えていて、そのストーリーを僕たちも垣間見させていただいているのでしょうね。そういった誠人さんの魂に触れられるのはやっぱりライブだと思いますよ」
大病の後、健康に気を使うようになり、関口自身も身体の変化は実感していた。
「ウイスキーって砂糖水を飲んでいるくらいカロリーが高いのに、1日2本も3本も飲んでいましたからね。以前は今より20キロ近く太っていたと思います。飲んでいたときはリハーサルに行くのもつらくて、ライブでサウンドチェックをする力もなくて、ソファに横になっていたほど。いいかげんなライブをやっていたなあと、非常に反省しています。そのぶん、今、挽回しようと思って一生懸命ライブをやっているんですよ。
お酒をやめたうえにプールで水中ウォーキングもしているおかげで、体重も落ちました。ライブは体力がいるので、身体が軽くなってずいぶん楽になりましたね」
関口がライブを行っている「阿佐ヶ谷ハーネス」のオーナーでミュージシャンの鎌田ひろゆきも「彼のライブは年月を重ねるごとにどんどんよくなっている」と話す。
「今はお酒もやめていて体調もよさそうです。遠方から来られるファンの方もいますし、ぜひライブで関口誠人の歌を楽しんでいただければと思います」