また、前出の記者によると“横綱は、太刀持ちと露払いの2人を左右に従えて土俵入りするので、横綱の化粧まわしは「三つ揃え」と呼ばれる3枚セットになる”そう。つまり、セットものならではの意匠も楽しめるってこと?
「稀勢の里が2017年に横綱に昇進した際に締めたのは、『北斗の拳』の人気キャラクターがモチーフでした。太刀持ちのケンシロウ、露払いのトキを左右に従えて、稀勢の里自身はラオウの化粧まわしでした」(同・前)
3兄弟が並ぶ様はまさに圧巻!なぜ主人公・ケンシロウではなくラオウ?と不思議だが、実は稀勢の里はラオウのファン。本人たってのご指名だったという。
化粧まわしのトリビア
漫画モチーフはほかにも古くは『キン肉マン』、最近では『ジョジョの奇妙な冒険』の岸辺露伴も話題になった。
「北斗の拳やキン肉マン、そしてジョジョ。ジャンプ系は人気が高いのかもしれませんね」(同・前)
ヒーローものは、相撲の世界と通じる部分が多い!? ところで、化粧まわしには意外なトリビアもいろいろ。
「横綱と大関以外は使ってはいけない色があります。“禁色”といって、紫のこと。そして化粧まわしを女性が触ることもご法度です。また一場所=1枚ではありません。地方場所や地方巡業では複数のタニマチ、つまり後援会から化粧まわしが贈られる場合が多く、数日ごとに替えたりしています。負けたら験を担いで次の日に替えるという力士もいますね」(同・前)
これからどんな化粧まわしが登場するのか。さらに斬新でオシャレなデザインを楽しみに待ちたい。
取材・文/いまいあい