目次
Page 1
ー テレビドラマ初主演作がフランスで大ヒット
Page 2
ー 転機となったハリウッド作品
Page 3
ー 親友との約束

 

 2月よりディズニープラスで配信が始まり、全世界で900万回以上の再生という大ヒットを記録した配信ドラマ『SHOGUN 将軍』。5月にはシリーズ化が決定するなど、話題が尽きない。このハリウッド発の人気ドラマで主演を務めたのは真田広之

「同作は、'75年に発表された小説『将軍』が原作で、'80年にもアメリカでテレビドラマ化されています。当時は主人公を三船敏郎さんが演じていました。真田さんにとってはハリウッドデビュー21年目にして、初のハリウッド主演作です」(映画ライター、以下同)

 ハリウッドで名実共に活躍する日本人俳優は多くない。

渡辺謙さんや菊地凛子さんなどが高い評価を得ていますが、まだまだ日本人の存在感は薄い。そこに単身渡米して、風穴をあけたのが真田さんです。日本人が主演というだけでなく、プロデューサーとしても起用されたというのは衝撃でした」

 そこに至るまでの道のりは、長く険しいものだった─。

テレビドラマ初主演作がフランスで大ヒット

 東京生まれの真田は、5歳のときに劇団入りし、子役として活躍。'73年、13歳で千葉真一さんが主宰した『ジャパンアクションクラブ』(以下、JAC)の門をたたく。数年して、めきめきと頭角を現した。

 今でこそ世界的な俳優となった真田だが、実は10代から海外で知られた存在だった。真田の名を知らしめたのが、'78年にテレビドラマ初主演作となった『宇宙からのメッセージ 銀河大戦』(テレビ朝日系)だったという。真田と仕事をしたことがある、特殊メイクアップアーティストの原口智生氏はこう話す。

この作品は日本ではまったく人気がなかったのですが、フランスで大ヒットしたんです。私の知り合いのフランス人は、みんな真田さんのことを今でも当時の役名で知っていますよ。仮面ライダーなどの特撮モノでは、変身後はスーツアクターが演じるのですが、『宇宙から〜』では変身後も真田さんが演じていました。その演技が、とにかく素晴らしいのです」