第2位は、今年1月に元フリーアナウンサーとの結婚を発表したTBSの安住紳一郎アナウンサー。ネット上には、安住アナの結婚にショックを受けたファンらによる“安住ロス”のワードも飛び交った。昨年には、同局現役アナとして初の役員待遇に。将来の社長候補としても名前が挙がっているという。

優しそうに見え、局アナの中で最も票を集めた安住紳一郎
優しそうに見え、局アナの中で最も票を集めた安住紳一郎
【写真】女性1000人が選んだ「上司になってほしい男性アナ」1位は?

部下への指導も、ユーモアをもって優しくしてくれそう」(宮崎県・30歳)

「偉そうな上司の理不尽な発言もうまくかわしてくれそう」(大阪府・44歳)と、そつのない器用さを評価する声が。

実力も人気も申し分なくフリーになっても間違いなく成功できる人ですが、TBSひと筋。佐々木卓社長ともしっかりコミュニケーションが取れていて、好待遇で局に残り後輩の指導にもあたっています」

 過去には、後輩だった元TBSの故・川田亜子アナウンサーの話題に触れ、後悔の涙を流したことも。川田アナの没後10年を迎えたある日、『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)でのこと。川田アナが亡くなる1年ほど前、仕事の相談を受けたが突き放してしまい、深く後悔していると言葉を詰まらせながら語った。

「どんな謝罪をもっても許されない」

「俺がこの局のアナウンサーを続けている限りは、川田のことを考えてあげたい」と涙声で言葉を絞り出し、後輩を思う安住アナの告白は、大きな反響を呼んだ。

「番組ではいつも冷静で自分のキャラを見せない安住くんですが、大御所にもひるまずにぶつかっていくなどサービス精神にあふれた人。事前に共演者のことを知るために最大限に努力をしているんです。

 明石家さんまさんとも共通する部分がありますが、サービス精神がある人はおしなべて優しい。後輩の新人アナについても、一人ひとりのキャラクターを把握して上手に個性を引き出すなど上司としての優しさを感じますね

コロナ禍を機に人気がうなぎ上りに

 223票を集めて堂々の1位となったのは、この春に日本テレビを退社してフリーになったばかりの藤井貴彦アナウンサー。4月からは、有働由美子アナウンサーに代わって『news zero』(日本テレビ系)のメインキャスターに抜擢。今のところ、視聴率の面では少々苦戦しているようだ。

コロナ禍での視聴者に寄り添ったコメントで人気が一気に上がった藤井貴彦(画像はセントフォースHPより)
コロナ禍での視聴者に寄り添ったコメントで人気が一気に上がった藤井貴彦(画像はセントフォースHPより)

「自分の考えを押しつけず、部下の気持ちに寄り添ってくれそう」(東京都・33歳)

「包容力や清潔感がある。学びたい」(埼玉県・40歳)など、実直な人柄を支持する声が多い。

「日本テレビの同期でエースだった羽鳥アナとは違い、藤井くんはどちらかというと目立たないタイプでした。それを変えたのがコロナ騒動。出演していた『news every.』で、毎日のように視聴者に向けて誠実なメッセージを発し続け、その言葉に励まされる人々が続出したんです」

 オリコンが毎年調査している「好きなアナウンサーランキング」では、2019年まではランク外だった藤井アナ。それがコロナ禍の2020年、いきなり3位に。それ以来4年連続でトップ3入りしている。

「14年にわたってメインキャスターを務めた『news every.』でも、見事にチームを引っ張っていらっしゃいました。かつての共演者で、榊原郁恵さんと渡辺徹さんご夫妻の長男である渡辺裕太さんや、NEWSの小山慶一郎くんは『藤井アナがお父さんで陣内貴美子さんがお母さん。まさに家族』と話していたことも。厳しさの中に温かみもある、まさに父親のような優しさがある人だなと思いますね」

 最後に、今回はランキング外だったが、山田さんが個人的に「理想の上司」と感じる男性アナを挙げてもらった。

まずはフジテレビの伊藤利尋アナウンサー。ソフトに見えて、実は誰よりも“戦うアナウンサー”という印象です。言いにくいこともきちんと発言し、迎合しない。さらに、共演者への目配り、気配りも素晴らしい。上司として、尊敬できる方だろうなと思います」

気配りができる上司になりそうな伊藤利尋
気配りができる上司になりそうな伊藤利尋

 もう1人は元テレビ朝日の渡辺宜嗣アナウンサー。10年前、60歳を迎えて同局を定年退職したが、現在はフリーとして『朝まで生テレビ!』などに出演中。さすが山田さん、目のつけどころが渋い!

そうそうたる論客に負けない冷静な振る舞いを見ていると、どんなことが起きてもこの人がいれば大丈夫!と思っちゃう。それでいて、やわらかい部分があるのも魅力ですよね」

 厚生労働省が昨年10月に発表した最新の調査では、就職後3年以内の離職率は新規高卒者で約37%、新規大卒者で約33%にも及ぶという。男性アナウンサーのように爽やかで、頼りになって、ユーモアもあって、それでいて優しい上司がひとりいれば、職場の離職率も減らせるかも……?

上司になってほしい男性アナランキング

1位 藤井貴彦(フリー) 223票
2位 安住紳一郎(TBS) 207票
3位 羽鳥慎一(フリー) 144票
4位 軽部真一(フジテレビ) 34票
5位 古舘伊知郎(フリー) 33票
6位 高瀬耕造(NHK) 31票
7位 武田真一(フリー) 29票
8位 三宅正治(フジテレビ) 22票
9位 榎並大二郎(フジテレビ) 17票
10位 生田竜聖(フジテレビ) 15票

山田美保子 放送作家、コラムニスト。テレビ・ラジオのコメンテーターとして『サンデージャポン』(TBS系)などに不定期出演中

取材・文/植木淳子